低用量ピル「トリキュラー」から、より安全性の高いとされる超低用量ピル(ミニピル)「セラゼッタ」切り替えて実際に使用した40代前半の女性「みかん」さん(福岡県)より、体験談をレポートしていただきました。
体験談の要点は以下の通りです。
- 30代後半に悪化したPMSと血栓リスクを懸念し、低用量ピル(トリキュラー)からエストロゲンフリーのミニピル「セラゼッタ」へ切替
- 血栓症リスクが低く授乳中や40代以降でも使いやすい点が決め手
- 個人輸入サイトで3ヶ月分を購入し服用開始。24時間以内の遅延なら避妊効果が維持される柔軟さで継続しやすい
- 開始2〜3週間で月経が止まり、生理用品・PMSから解放され生活が大幅に快適化
- イライラや腰痛は消失し感情は安定する一方、喜び・ワクワク感が薄れ“フラット”に
- 2ヶ月目以降、Tゾーンのテカリと頬の乾燥・あごニキビ、髪のパサつき・艶低下を実感
- 無月経が続くことで「体が今どうなっているか分からない」という漠然とした不安が増大
- 肌荒れ・髪の乾燥・感情の平坦化などエストロゲン抑制由来の変化が出やすい
- 無月経はメリットでもあり不安要素にもなるため、長期継続時は自己観察と定期受診が必須
- 毎日同時刻服用が基本。リマインダー活用で飲み忘れ防止、強い副作用時は医師と要相談
なお、本記事の体験談内容については、医学的記述や表現に不自然な点がないか、医学誌の編集経験がある看護師が確認済みです。

看護師資格を有し、総合病院で勤務。退職後、出版社に勤務し、医学誌の編集も担当しておりました。
それでは、次より実際の体験談レポートをご紹介いたしますが、本記事は個人の体験談であり、効果・感じ方には個人差があります。
あくまでも個人の感想ですので、効果・効能を保証するものではありません。医薬品の使用は自己責任で行い、体調変化を感じた場合は医師にご相談ください。
ホルモン揺らぎ世代が“安心感”を求めてセラゼッタへ切り替えた理由
30代後半から40代にかけて、「これまでと同じように生活しているはずなのに、なんとなく不調が増えてきた」「ホルモンの波に振り回されるのがしんどい」と感じることが増えてきました。
そんな中で、これまで服用してきた低用量ピル「トリキュラー」から、より安全性の高いとされるミニピル「セラゼッタ」に切り替える決断をしました。


セラゼッタは、エストロゲンを含まず黄体ホルモン(デソゲストレル)のみを成分とするピルで、血栓リスクが低く、授乳中の方や40代以降の女性にも使われているとのこと。
私は副作用を避けつつ、ホルモンバランスを緩やかに整えられるのではないかと期待し、3ヶ月分を個人輸入サイトで購入をし服用を始めました。結論から言うと、「安心感」や「楽さ」といったメリットは感じた一方で、“女性らしさ”に関わる不調や違和感も強く、継続は慎重に考えるべきだと感じる薬でした。
※みかんさんのトリキュラー体験談も以下に公開しておりますので、ぜひご覧ください。


服用1ヶ月目:生理が止まって生活は快適に
服用開始から2〜3週間で生理が止まりました。
これはセラゼッタの特徴の一つで、長期服用により無月経になるケースも多いと聞いていましたが、実際に起こると想像以上にラクです。
- 生理用品の準備が不要に
- 旅行や予定の調整が楽になった
- PMSによるイライラや腰痛も出なくなった
毎月の煩わしさから解放され、「生理がないってこんなに快適なんだ」と素直に思いました。
生理痛が重い人やPMSで毎月憂鬱になっていた人には、大きなメリットに感じる部分だと思います。
2ヶ月目:肌・髪・感情面に“じわじわくる変化”
生理が止まり、快適な日常が続く……と思っていたのですが、2ヶ月目からじわじわと体調の違和感を感じ始めました。
肌の変化:テカリと乾燥が同時に起こる
まず目立ったのは肌の変化。
それまでピルで安定していた肌が、突然崩れ始めました。
- Tゾーンがテカりやすくなり、皮脂量が明らかに増加
- 頬や口まわりは逆に乾燥して粉を吹く状態に
- あごニキビが増え、炎症が起こりやすくなる
この脂っぽさと乾燥の同居した不安定な状態に、毎朝のスキンケアも迷走。
メイクが崩れやすくなり、肌全体に艶がなくなったように感じました。
髪の変化:パサつき、ツヤの低下
髪も徐々にぱさついて広がるように。
ヘアオイルやトリートメントを使っても改善せず、毛先がまとまらず、艶が消えて「老け込んだ」ような印象に。
これもエストロゲンの減少による皮脂分泌や水分保持力の低下が影響しているのだろうと感じました。
感情の平坦化と無気力感
さらに気になったのが、感情面の変化です。
PMS時の激しいイライラはなくなった一方で、嬉しいことがあっても心があまり動かず、「楽しい」と感じる頻度が減ったように思いました。
感情の振れ幅が小さくなることで、落ち込まない代わりに、ワクワクも減る。
これを「安定」ととるか、「沈んでいる」ととるかは人それぞれですが、私にはやや“塞がったような”感覚がありました。
3ヶ月目:継続の判断と向き合った時期
3ヶ月目に入ると、こうした状態にも慣れてはくるのですが、「このまま継続して本当に大丈夫だろうか?」という気持ちも強くなってきました。
特に気になったのは、「今、自分の体がどうなっているのか分からない」という無月経による不安感です。
サイクルがない分、排卵の有無も把握しづらく、体が“女性として機能している”実感が薄れていくような不安がじわじわと積もっていきました。
良かった点
① 生理が止まり、生活がとにかく快適に
服用から2~3週間で生理が完全に止まりました。
無月経はミニピル特有の副作用(というか作用)でもありますが、これは生活の質を上げる大きなポイントでした。
- 生理用品の準備が不要になった
- 旅行や仕事の予定が立てやすくなった
- 出血に伴う腹痛・腰痛・だるさがゼロに
- ナプキンかぶれや匂いに悩まされない
「次いつ生理が来るか」の不安がなくなり、精神的なプレッシャーが激減。特に多忙なアラフォー世代には大きなメリットです。
② PMSのイライラ・情緒の乱れが穏やかに
トリキュラー時代にあったPMS(生理前のイライラ、落ち込み、過食傾向など)が、セラゼッタにしてからはかなり緩和されました。
- 特に怒りっぽさが明らかに減った
- 家族や職場での小さなトラブルが減った
気分が安定し、「落ち込む自分」に引きずられなくなった波が大きくないぶん、安定した感情で日々を過ごせる安心感がありました。
③ 血栓リスクが低く、40代以降でも安心して使える
エストロゲンを含まないため、血栓症のリスクが極めて低く、「年齢的に低用量ピルが不安」という人にも選ばれているのがセラゼッタの特徴。
- 喫煙者や家族に血栓症歴がある人にも適応しやすい
- 長期服用の安心感がある
- 婦人科でエストロゲンを避けるように言われた人でも使える
「今後も長く使える薬」としての安心感は、加齢とともに価値が増します。
④ 飲み忘れても24時間以内ならリカバー可能
毎日決まった時間に飲む必要はありますが、24時間以内なら避妊効果が維持されるという柔軟さもメリット。
- 忘れても「すぐにアウト」ではないため安心
- リマインダーを使えばストレスなく継続可能
- トリキュラーより飲み忘れ時の焦りが減った
習慣化しやすく、忙しい人にとっても続けやすいピルです。
悪かった点
① 肌が荒れやすくなり、皮脂バランスが崩れた
使用開始から2週間ほどで肌に異変。エストロゲンの分泌が抑えられる影響で、皮脂バランスが乱れやすくなったと感じました。
- Tゾーンが脂っぽくなり、テカリやすい
- 一方で口周りや頬は乾燥して粉が吹く
- あごやフェイスラインにニキビが繰り返し出現
これまで安定していた肌質が崩れ、スキンケアを変えてもなかなか整いませんでした。
② 髪がぱさぱさ、艶がなくなり老けた印象に
服用開始から1ヶ月ほどで、髪の指通りやまとまりに変化が。
水分保持力の低下や皮脂分泌の影響で、ツヤやハリが落ちたと感じました。
- 毛先がまとまらず、全体が乾燥気味に
- 湿気にも弱く、うねりや広がりが増えた
- 見た目に「疲れて見える・老けて見える」と感じた
ヘアケアでの対応にも限界があり、「ホルモンって本当に髪に影響するんだ」と痛感しました。
③ 感情がフラットになりすぎて、気持ちの起伏が乏しくなる
PMSのイライラが減った一方で、「嬉しい」「楽しい」などの感情の高まりも感じにくくなったことに違和感がありました。
- 映画を観ても感動が薄く、涙も出ない
- 趣味に対して以前ほどワクワクしない
- 全体的に「気持ちが動かない」ことが増えた
感情が落ち着いたというより、“淡々と日々をやり過ごしているような感覚”に近かったです。
④ 無月経が続くことで、体の状態が分かりにくくなる不安
生理がないことはラクでも、「今、自分のホルモン状態がどうなっているか分からない」ことがだんだん不安に。
- 排卵していない感覚が続く
- 女性らしさ・周期感が薄れたように感じる
- 更年期?閉経?などと結びつけて考えてしまう
特にアラフォーという年齢的に「女性としての変化」を敏感に感じる時期だったため、体の変化に鈍感になっていくような怖さもありました。
総合評価:快適さと引き換えに、“らしさ”を失う感覚も
セラゼッタは、体に負担をかけず、ホルモンを整える手段としてはとても優れた薬だと思います。
生理が止まることで感じる開放感は、これまでのPMS地獄から解き放たれる感覚すらありました。
ですがその反面、肌や髪のコンディションの悪化、感情の平坦化、月経の喪失による不安といった、“女性としての調和”が揺らぐような副作用も確かにありました。
私にとっては、「快適すぎて少し怖くなる薬」というのが、正直な感想です。
継続するには、もう少し自分の体と向き合いながら、調整していく必要があると感じました。今はトリキュラーに戻し快適に過ごしています。
※海外医薬品の個人輸入は、ご自身の責任において、ご自身の使用のために行う場合に限り認められています。輸入した医薬品を第三者へ譲渡・転売することは法律で固く禁じられています。
※この記事は看護師資格保有者が内容を確認していますが、診断・治療行為ではありません。必要に応じて医療機関で適切な指導を受けてください。
参考資料:
- Cerazette® 患者向け添付文書(UK PIL, PDF)
- Cerazette® 製品概要(UK SmPC, HTML)
- Cerazette® 患者向け添付文書(NZ CMI, PDF)
- Cerazette® データシート(NZ 医療従事者向け, PDF)
※Cerazette® は日本国内未承認薬です。上記のリンクは海外当局が公開している公式添付文書(英語)です。服用前には必ず医師・薬剤師にご相談ください。
※服用前には必ず輸入品に記載されている英文の説明も確認し、不明点は医師・薬剤師にご相談ください。