デイリータダラフィルについてご存知でしょうか。以前、堀江貴文氏(ホリエモン)がYouTubeの動画内で服薬していることを話していました。
そんなデイリータダラフィルとは、通常のタダラフィルと何が異なるのでしょうか。また、タダラフィルを服用することで得られるメリットについて、薬剤師がエビデンスを基に解説します。
- 通常のED治療薬「タダラフィル」を低用量で毎日服用する方法。
- 性行為のタイミングに依存せず、自然な流れで性生活を改善。
- 副作用リスクが少なく、継続しやすいのが特徴。
- 勃起改善に加え、血流促進や血管の若返りが期待される。
- 高血圧・動脈硬化・男性更年期の予防として自由診療でも活用。
- 筋力向上や疲労感の軽減など、アンチエイジング的な効果も報告。
- 酸化ストレスの軽減や血糖コントロール改善の報告もあり。
- 心血管リスクや生活習慣病予防の補助的役割として注目されている。
なお、本ページは薬剤師が執筆しております。

薬剤師資格を有し、総合病院・国立私立大学で勤務。現在、美容専門学校に勤務し、講師業も担当しております。
さらに、医学誌編集経験を持つ看護師が最終確認を行い、医療の専門家による二重のチェック体制で情報の正確性を担保しています。



看護師資格を有し、総合病院で勤務。退職後、出版社に勤務し、医学誌の編集も担当しておりました。
デイリータダラフィルとは
デイリータダラフィルは、勃起不全(ED)の治療に使用される有効成分「タダラフィル」(商品名:シアリス)を低用量で毎日服用する治療法です。
通常、タダラフィルは1錠あたり10〜20mgを1日1回服用しますが、デイリータダラフィルでは通常の1/8〜1/4の用量(1錠あたり2.5〜5mg)を服用します。この方法により、男性の活力を高める効果が期待されます。
ED治療のために服用する用量よりも少ないため、副作用が軽減され、性行為前に服薬する必要がないため、安心して使用することができます。



デイリータダラフィルは、保険適応された用法用量とはそもそも異なります。適切な指導を受けながら使用したい場合には、男性専門のクリニックを受診してみてください。
通常のタダラフィルの効能効果
タダラフィルは、環状グアノシン一リン酸(cGMP)分解酵素であるホスホジエステラーゼ5(PDE5)を阻害することにより、海綿体内のcGMP濃度を上昇させます。
それにより、海綿体平滑筋の弛緩が誘発され、陰茎動脈の血流増加に寄与し、性的刺激による勃起を促進する薬剤で す。一般的には性行為の約1〜3時間前に単回投与として10〜20mgの用量で服用することで、効果発現後から約24〜36時間持続します。
また、食事の影響を受けにくいとされていますが、高脂肪食は吸収を妨げることがあるため控えるまたは空腹時の服薬が望ましいとされています。
デイリータダラフィルを服用するメリット
勃起不全治療以外の目的でデイリータダラフィルを毎日服薬することによるメリットは3つあります。
第1に、血中濃度を一定に保てることです。勃起に必要な血流を常に維持できるため、性行為のタイミングに関係なく、パートナーに対して性行為を求めていることを知られず、自然なタイミングで性行為へ誘えます。
第2に、副作用のリスクが低減されます。通常の服薬方法では、副作用として頭痛、ほてり、鼻づまり、消化不良、視覚異常などが発生することがあります。
しかし、デイリータダラフィルの場合、1錠あたり2.5〜5mgと低用量で服薬するため、副作用が起こりにくく、継続しやすいというメリットがあります。
第3に、血流改善効果があるため、陰茎だけでなく動脈硬化や高血圧、動脈硬化、前立腺肥大などの予防にも利用が可能です。また、男性更年期の予防として「男のアンチエイジング治療(自由診療)」の一環として取り入れている医療機関もあります。
これらの理由から、デイリータダラフィルの服用により、男性の健康と活力の維持に寄与している例も少なくありません。
デイリータダラフィルの海外での研究報告
男性の活力を高める効果が期待されているデイリータダラフィルですが、日本ではその効果は保険適応では推奨されていません。そのため、本当に安心して効果があるのか気になる方も多いでしょう。
ここでは、海外の研究報告も交えて、その効果を詳しく探ります。
血管が若く保てる可能性
心血管リスクが高い患者において、タダラフィル20mgを4週間慢性投与した海外の研究報告によれば、EDの程度に関係なく、心血管リスクが高い患者の血管内皮細胞の機能を高めて、血流依存性血管拡張反応が有意に改善したことが報告されています。
この効果は服用中止後2週間後も継続していました。血管の老化は生活習慣病だけでなく体の老化にもつながりますので、デイリータダラフィルで血管を若く保つ可能性があります。
ただし、この研究は低用量のタダラフィルで行われたものではありません。
酸化ストレスの軽減
過活動膀胱による排尿症状のある男性患者53名に対してタダラフィル5mgを1日1回経口投与して、12週間の治療前後で症状を評価しました。
その結果、酸化ストレスレベルを低下させることにより、過活動膀胱の症状と尿流動態パラメータを改善しました。
酸化ストレスは、さまざまな老化現象にも影響するため、デイリータダラフィルで体内の酸化が抑制される可能性があります。
血糖コントロールの改善
2型糖尿病および勃起不全患者68名における血糖コントロールと勃起状態の改善の効果について、6ヶ月間タダラフィル5mgを服薬し続けた結果、血糖コントロールと勃起機能の改善に効果があることが示されました。
血糖コントロールは糖尿病予備軍でなくても生活習慣病や様々な不調にもつながることが分かっています。そのため、デイリータダラフィルで体内の糖化を予防できれば体内の老化も抑えられる可能性があります。
デイリータダラフィルがオススメな人
- タダラフィルなどのED治療薬の副作用が気になる方
- 男らしさを取り戻したい方
- 仕事や外出が疲れやすくなってきた方
- パートナーシップをより良くしたい方
- 少しでも若く見られたい方
- 男性更年期が気になる方



男性ホルモンを直接的に増やすことはありません。血流の促進によって筋力が向上する兼ね合いで、男性ホルモンの量も上昇する可能性があり、間接的な効果とされています。
デイリータダラフィルの注意事項
デイリータダラフィルは、毎日の服用によって勃起不全(ED)の治療効果のみならず、男性の活力向上や男性更年期、アンチエイジングへの効果も期待されています。しかし、安全に効果を得るためには以下の注意点を守る必要があります。
過度の飲酒を避けること
アルコールはタダラフィルと類似した作用を持ち、併用すると血圧が急激に低下してめまい、立ちくらみ、動悸などの症状が強まることもあります。少量の飲酒は問題ありませんが、初回服用時には飲酒を控えることが推奨されます。
高脂肪食は有効成分の吸収を遅らせること
デイリータダラフィルの効果は通常のタダラフィルと同様に食後の服用でも大きく影響を受けません。しかし、高脂肪食を摂取した場合には吸収が遅延する可能性があり、最大の効果を得るためには空腹時または食後2時間以上経過してからの服用が望ましいです。
服薬ができない場合があること
デイリータダラフィルは、重度の肝障害、腎障害、狭心症の患者や最近6か月以内に心筋梗塞や脳卒中を発症した方は服薬不可です。心配な場合は必ず医師や薬剤師に相談してください。



例え通常用量よりも低用量で服用するからといって、すべての方を対象に継続的に服薬するには説明や指導が大切になっていきます。