ノバモックス(梅毒・淋病の治療薬:サワリシン ジェネリック)
ノバモックスは、サワシリン(アモキシシリン)と同じ成分を使ったジェネリック医薬品で、さまざまな細菌による感染症の治療に役立つ抗生物質です。
特に梅毒の治療薬として日本では第一選択薬となっており、症状の進み具合や合併症の有無で適応範囲と服用期間が変わります。梅毒以外にも副鼻腔炎や膀胱炎、のどの痛み、気管支炎など身近な感染症にも幅広く使われ、安全性が高く、副作用も少ないのが特徴です。
なお、本ページは薬剤師が執筆しております。
Yuu総合病院で院内薬剤師として勤務し、糖尿病病棟の担当や患者さん向けの講座開催を経験しました。その後は調剤薬局にて在宅訪問や無菌調剤にも携わり、幅広い現場での知識と実践を積んでいます。
また、食と健康のつながりを深めるため薬膳アドバイザーの資格も取得しています。
さらに、医学誌編集経験を持つ看護師が最終確認を行い、医療の専門家による二重のチェック体制で情報の正確性を担保しています。
Yuu看護師資格を有し、総合病院で勤務。退職後、出版社に勤務し、医学誌の編集も担当しておりました。
※本ページの初稿は薬剤師が執筆しております。メドノア編集部が必要に応じて加筆・修正を行いますが、その際も情報の正確性と信頼性を損なわないよう細心の注意を払っています。
ノバモックスの概要
- 細菌による感染症全般や梅毒の治療までさまざまな場面で使われる薬剤
- 有効成分のアモキシシリンは、細菌の増殖を防ぎ、体の回復を助ける
- 長期間使われてきた実績があり、アレルギーを起こしにくい。
- 服用する期間や量は症状によって変わるため、服用方法をよく確認することが大切
ノバモックスは、インドの大手製薬会社シプラ(CIPLA LTD)が製造しており、世界的に高い品質と信頼性を誇っています。さらに、ジェネリック医薬品であるため、価格面でも優れており、経済的な負担を抑えての服用が可能です。
シプラは国際的な医薬品規制基準をクリアしており、厳格な品質管理が徹底されているため、多くの方に安心して選ばれています。
梅毒をはじめとする性感染症やいろいろな細菌感染症の治療に用いられ、殺菌作用に優れています。特に梅毒トレポネーマに対しては高い効果が確認されており、完治するまでしっかり服用することが重要です。
| 商品名 | ノバモックス(Novamox ) |
|---|---|
| 内容量 | 15錠(125mg錠・250mgカプセル・500mgカプセル) |
| 効果・効能 | 表在性および深在性皮膚感染症、リンパ管・リンパ節炎、膀胱炎、腎盂腎炎、気管支炎、肺炎、梅毒、淋菌感染症、副鼻腔炎、中耳炎など多様な細菌性感染症の治療 |
| 有効成分 | ・アモキシシリン 125mg ・アモキシシリン 250mg ・アモキシシリン 500mg |
| 副作用 | 下痢、軟便、腹痛、悪心、嘔吐、発疹、かゆみ、発熱など まれにアナフィラキシーショック |
| 形状・剤形 | 錠剤(125mg)・カプセル(250mg、500mg) |
| ブランド | シプラ(CIPLA LTD) |
Yuuノバモックスは長年の臨床実績があり、日本の梅毒治療において標準的な薬剤とされています。
梅毒は早期発見・治療が重要な疾患です。完治までノバモックスを欠かさず服用することが、再発防止や合併症予防につながります。
ノバモックスはこんな方におすすめ
- 梅毒やその原因の「梅毒トレポネーマ」による感染症の治療が必要な方
- 肺炎球菌や副鼻腔炎、中耳炎、膀胱炎、咽頭炎などに悩んでいる方
- ペニシリンアレルギーなどのリスクが低く、安全性を重視する方
- 急性、慢性感染症の治療に備える方
- 信頼のおける海外医薬品の購入を希望する方
ノバモックスの有効成分について
ノバモックスの主な成分であるアモキシシリンは、ペニシリン系抗生物質のなかでもアレルギーが出にくい合成ペニシリンです。細菌を包む壁の材料を作れないようにすることにより(細菌の細胞壁合成阻害作用)、病気を引き起こす細菌感染の根本治療ができます。
特に梅毒の原因菌や、のどや肺の病気を起こす細菌(ブドウ球菌、肺炎球菌、腸球菌など)に対して高い治療効果を持っています。薬が効かなくなる菌(薬剤耐性菌)の報告も少なく、安全性も高いとされます。
ノバモックスの効果・効能
- 梅毒(梅毒トレポネーマ)による感染症
- 表在性皮膚感染症、深在性皮膚感染症、リンパ管・リンパ節炎
- 咽頭炎、扁桃炎、中耳炎、副鼻腔炎、急性気管支炎、肺炎
- 膀胱炎、腎盂腎炎、前立腺炎、精巣上体炎
- 淋菌感染症
- 骨髄炎、外傷・熱傷、手術創等の二次感染
ノバモックスは、梅毒をはじめとする多くの細菌感染症に対して高い治療効果を発揮し、特に梅毒の治療では豊富な臨床実績と高い成功率を誇る抗生物質です。
また、ノバモックスの先発薬であるサワシリンは、日本国内では1974年に承認されて以来、およそ43年間にわたって使用され続けてきた実績があります。
サワシリンおよびノバモックスの有効成分「アモキシシリン」が適応を示す細菌は、梅毒トレポネーマ、ブドウ球菌、肺炎球菌、腸球菌、淋菌など合計10種類です。抗生物質のなかでは比較的適応菌種が少なく、アモキシシリンは「狭域スペクトル」抗生物質として、限られた範囲の菌にのみ効果があります。
狭い菌種への効果は、必ずしもデメリットではありません。適応菌種が少なく、人の体に常在する善玉菌への影響が少ないため、副作用リスクが低く、安全性に優れている点が特徴です。そのため、内科、耳鼻科、泌尿器科など幅広い診療科で使用されています。
梅毒治療では、進行状態によって治療期間が異なりますが、第1期では2〜4週間、第2期では4〜8週間、第3期以降は8〜12週間が目安とされています。
梅毒の進行段階と主な症状・治療期間
| 段階 | 主な症状 | 治療期間の目安 |
|---|---|---|
| 初期(第1期) | 性器に小さなしこりができたり、鼠径部のリンパが腫れる | およそ2~4週間 |
| 中期(第2期) | 皮膚に盛り上がった発疹や膿を持つ発疹が現れるほか、斑点模様や抜け毛が生じる | およそ4~8週間 |
| 進行期(第3期以降) | 骨や筋肉内にしこりが発生したり、弾力のある腫瘤ができる。さらに、神経系にも障害が波及することがある | およそ8~12週間 |
Yuuノバモックスは狭域スペクトルの「ピンポイント攻撃」の抗生物質で、梅毒トレポネーマや淋菌、肺炎球菌など限られた10種類の細菌に効果を示します。
人体に無害な常在菌への影響が少ないため、副作用が起こりにくいという点が特徴です。
ノバモックスの服用方法・使用方法
| 1回の用量 | 梅毒治療ではアモキシシリンとして500mg |
|---|---|
| 1日の服用回数 | 3回 |
| 服用間隔 | 約8時間ごと(毎食後) |
| 服用するタイミング | 食後が推奨されるが、治療の目的や症状により異なる 梅毒の場合 第1期梅毒:2~4週間 第2期梅毒:4~8週間 第3期以降:8~12週間 感染症予防・治療目的の場合 5~14日間 |
使用上の注意
- アモキシシリンに対し過敏症の既往がある方は使用禁忌
- 伝染性単核症の方は禁忌
- ペニシリン系またはセフェム系抗生物質で過敏症歴がある方は慎重投与が推奨される
- 経口摂取が困難な方、全身状態が悪い方、高度の腎障害がある方、妊婦、授乳婦、小児、高齢者の方は慎重投与
ノバモックスの警告・禁忌・副作用
警告
- 過去にアモキシシリン、または、ペニシリン系抗生物質でアレルギー症状(過敏症)を起こしたことがある方は服用できません。
- セフェム系抗生物質に対する過敏症歴がある場合も慎重な服用が推奨されます。
- 高度の腎障害がある方、経口摂取困難な方、全身状態が不良な方は慎重な服用が求められます。
- 妊婦、授乳婦、小児、高齢者も慎重に服用しましょう。
- 伝染性単核症の方は禁忌のため服用できません。
禁忌
- アモキシシリンに過敏症の既往がある方
- 伝染性単核症の方
- 妊娠中または妊娠している可能性のある方
- 授乳中の方
副作用
下痢、軟便、腹痛、発疹、かゆみ、悪心、嘔吐など
重篤な副作用
まれにアナフィラキシーショック(急激なアレルギー反応)、中毒性表皮壊死融解症(重篤な皮膚障害)、皮膚粘膜眼症候群、無菌性髄膜炎、急性腎障害など
ノバモックスの他の薬との相互作用
併用しないこと
- 現時点で、ノバモックスと一緒に飲んではいけない(併用禁忌)薬剤はありません。
併用に注意すること
- ワルファリンカリウム(抗凝固剤)
ワルファリンの効果が変動し、出血傾向のリスク増加が報告されています。併用時は出血症状の観察や血液検査が必要です。
- 経口避妊薬(ピル)
ノバモックスによりホルモン剤の吸収が減少して効果が下がる可能性があり、避妊効果が低下する可能性があります。
- プロベネシド(尿酸排泄促進薬)
プロベネシドはアモキシシリンの腎排泄を抑制し、血中濃度を上昇させるため用量調整が必要になる場合があります。
- アルミニウム(Al)、マグネシウム(Mg)、鉄(Fe)、カルシウム(Ca)含有製剤(胃薬や鉄剤、カルシウム剤など)
これらの成分と結合し、アモキシシリンの吸収が阻害されるため、併用する場合は服用間隔を2時間以上空ける必要があります。
Yuuノバモックスの相互作用について、特にワルファリンとの併用は血液凝固に影響しやすいため注意が必要です。また、経口避妊薬との併用は効果が減弱する可能性があるため、ほかの避妊方法の検討が重要になります。
胃薬・鉄剤などとの併用では、服用間隔を2時間以上空けるのを忘れないようにしましょう。
ノバモックスの注意事項
- アモキシシリンやペニシリン系抗生物質にアレルギー反応を起こした方は使用できません。
- 伝染性単核症の方は使用できません。
- 高度の腎障害がある方や経口摂取が困難な方、全身状態が悪い方は慎重に使用する必要があります。
- 妊婦、授乳中の方、小児、高齢者は慎重投与の対象です。
- 他の薬剤(ワルファリンカリウム、経口避妊薬、プロベネシドなど)との併用に注意が必要です。
- 用法用量を必ず守り、飲み忘れた場合も一度にまとめて飲むことは避けます。
- 症状が良くなっても服用を中止せず、最後まで飲み切ってください。
- 高温多湿・直射日光を避けて保管してください。
- こどもの手の届かない場所に管理してください。
ノバモックスのよくある質問
服用中に症状が良くなったら飲むのをやめてもいいですか?
途中で飲むのをやめずに、最後まで飲み切ることが重要です。薬の飲み忘れや早めに服用をやめてしまうと、細菌が完全に死なずに残ってしまい、病状が悪化したり、薬に効きにくくなる「耐性菌」が発生したりするリスクがあります。
ノバモックスは食後に飲んだほうがいいですか?
基本的には食前・食後どちらでも飲んでもいいですが、胃が弱い方は食後に飲むことで胃への負担を減らせます。
ノバモックスを服用中にアルコールを飲んでもいいですか?
基本的にアルコールとの明確な禁忌はありませんが、消化器症状など副作用を強める可能性があるため、服用中の飲酒は控えることが望ましいです。
ノバモックスは梅毒の予防に使えますか?
ノバモックスは梅毒の原因菌に効果がありますが、予防効果はありません。発症後の治療に服用してください。
ノバモックスのカプセルは割って飲んでもいいですか?
薬の効果が落ちる可能性があるため、カプセルはそのまま飲んでください。