ノベロン(低用量ピル:マーベロン ジェネリック)
ノベロンは、第三世代の低用量ピルで、日本国内で処方されている「マーベロン」のジェネリック医薬品です。デソゲストレルとエチニルエストラジオールを有効成分とし、高い避妊効果とともに、月経困難症やPMS(月経前症候群)、ニキビ改善など幅広い女性の悩みに対応します。
1相性ピルのため毎日同じ成分量を服用でき、初心者にも扱いやすいのが特徴です。継続しやすいピルとして多くの女性に選ばれています。
なお、本ページは薬剤師が執筆しております。
Yuu総合病院で院内薬剤師として勤務し、糖尿病病棟の担当や患者さん向けの講座開催を経験しました。その後は調剤薬局にて在宅訪問や無菌調剤にも携わり、幅広い現場での知識と実践を積んでいます。
また、食と健康のつながりを深めるため薬膳アドバイザーの資格も取得しています。
さらに、医学誌編集経験を持つ看護師が最終確認を行い、医療の専門家による二重のチェック体制で情報の正確性を担保しています。
Ray看護師資格を有し、総合病院で勤務。退職後、出版社に勤務し、医学誌の編集も担当しておりました。
※本ページの初稿は薬剤師が執筆しております。メドノア編集部が必要に応じて加筆・修正を行いますが、その際も情報の正確性と信頼性を損なわないよう細心の注意を払っています。
ノベロンの概要
- マーベロンと同じ有効成分・効果を持つジェネリック医薬品
- 1相性ピルで飲み間違いが少なく、管理がしやすい
- 第三世代の黄体ホルモン「デソゲストレル」配合で男性ホルモン作用が弱い
- 避妊効果は99.9%、月経困難症・PMS(月経前症候群)・ニキビ改善にも使用実績あり
- 先発薬と同等の効果ながら、コストを抑えて継続可能
ノベロンは、Organon(India)Private Limitedが製造・販売している低用量経口避妊薬です。日本で広く処方されているマーベロンと同じ有効成分を配合し、コストパフォーマンスを実現した、継続しやすい選択肢となっています。
飲み間違いのリスクが少なく、避妊効果はもちろん、月経困難症の治療や生理周期の確立にも用いられています。
| 商品名 | ノベロン(Novelon) |
|---|---|
| 内容量 | 21錠/1シート |
| 効果・効能 | 避妊、月経困難症(生理痛)、生理周期の安定 |
| 有効成分 | ・デソゲストレル 0.15mg ・エチニルエストラジオール 0.03mg |
| 副作用 | 悪心、頭痛、乳房痛、不正出血、むくみ、体重増加、気分変動、発疹、まれに、肝機能異常、血栓症など |
| 形状・剤形 | 錠剤(白色フィルムコーティング錠) |
| ブランド | Organon(India)Private Limited |
Yuuノベロンを飲み始めた最初の1〜2ヶ月は、軽い吐き気や不正出血が出ることがありますが、通常は体が慣れて自然に治まります。もし、3ヶ月以上経っても続く場合は医療機関を受診してください。
ノベロンはこんな方におすすめ
- 確実な避妊と生理周期の管理を求める方
- 生理にともなう不快感や生理のリズムの乱れが気になる方
- 肌のコンディションやニキビが気になる方
- ピル初心者や飲み間違いが心配な方
- 継続しやすい価格のピルを探している方
Yuuノベロンはマーベロンのジェネリック医薬品で、避妊目的で広く使われています。生理に関するお悩みで婦人科を受診される方にも選ばれることが多いお薬です。避妊以外の目的での服用も一般的だと言えます。
ノベロンの有効成分について
ノベロンに含まれる第三世代の黄体ホルモン「デソゲストレル」は、男性ホルモン作用が弱い第3世代黄体ホルモンです。そのため、皮脂分泌過剰によるニキビやムダ毛の増加といった副作用が起こりにくく、長期服用でも体への負担が少ないとされています。
加えて、卵胞ホルモン「エチニルエストラジオール」が排卵抑制・子宮内膜の変化を促し、確実な排卵抑制効果を発揮します。全錠剤に同じ量のホルモンが含まれているため毎日同じように服用でき、飲み間違いによるリスクが低くなっています。
ノベロンの効果・効能
- 排卵の抑制
- 子宮内膜の変化による着床阻害
- 子宮頸管粘液の性状変化による精子の侵入阻止
- 月経周期の安定化、生理痛やPMSの緩和、肌トラブルの改善
ノベロンは、排卵抑制、子宮内膜の変化による着床阻害、頸管粘液の粘性増加による精子侵入阻害など、複数の作用機序で避妊効果を発揮します。副効用として、ホルモンバランスの安定化による生理痛やPMSの緩和、肌トラブルの改善も期待できます。
Yuuノベロンは、避妊、月経困難症(生理痛)の治療を目的として承認されている低用量経口避妊薬です。毎日一定量のホルモンを補うことで、確実な避妊効果と月経困難症の症状緩和が期待できます。
服用方法や注意事項を守ることで、女性の健康管理に役立つ医薬品だと言えるでしょう。
ノベロンの服用方法・使用方法
| 1回の用量 | 1錠 |
|---|---|
| 1日の服用回数 | 1回 |
| 服用間隔 | 24時間 |
| 服用するタイミング | 毎日同じ時刻に服用 |
| 服用サイクル | 21日間連続服用+7日間休薬 |
服用サイクル
21錠を毎日1錠ずつ同じ時間に服用し、飲み終えたら7日間の休薬期間を設けます。休薬期間中に消退出血(生理)が起こり、8日目から新しいシートを開始します。
飲み忘れた場合
1錠飲み忘れた場合は気づいた時点ですぐに服用してください、2錠以上連続で忘れた場合は一旦服用を中止し、次の生理を待ってから再開してください。
使用上の注意
- 服用開始初期や飲み忘れ時は避妊効果が低下するため、他の避妊法を併用する
- 激しい下痢や嘔吐時は成分が吸収十分に吸収されないことがある
- 1年に1回以上の婦人科検診を推奨
- 服用中は禁煙を推奨(血栓症リスク増加)
- 2周期以上無月経が続くなど妊娠が疑われる場合は服用を中止し医師に要相談
Yuuノベロンを服用する場合、『禁煙』が原則です。特に35歳以上で喫煙習慣がある方は血栓リスクが急上昇するため、必ず医師の許可を得てください。
生理日を前後にずらすノベロンの飲み方
生理を早めたい場合
生理を早めたい場合は、ノベロン21錠を通常より早く飲み終え、そのまま休薬期間(7日間)に入ります。
休薬を始めてから2〜3日以内に生理(消退出血)が起こることが多いです。休薬期間が終わったら、次の新しいシートから通常通り服用を再開してください。
Yuu飲み終えるタイミングを早めることで、生理の開始時期を前倒しできます。
生理を遅らせたい場合
生理を遅らせたい場合は、ノベロン21錠を飲み終えた後、休薬期間に入らず、続けて新しいシートの薬を希望する日まで毎日1錠ずつ服用し続けます。
生理を避けたい期間が終わったタイミングで服用を中止し、7日間の休薬期間に入ると2〜3日後に生理が始まります。生理を遅らせる場合は、追加のシートが必要になるため、事前の準備が必要です。
Yuu生理日の調整は一時的な対応として行い、頻繁な調整は体への負担となるためおすすめできません。予期せぬ不正出血や副作用(吐き気、頭痛、腹痛など)が現れた場合は、必ず医療機関に相談してください。
男性ホルモン抑制作用による皮膚症状の改善
ノベロンの黄体ホルモン成分(デソゲストレル)は、男性ホルモン(アンドロゲン)作用が弱いため、ニキビや多毛症などの皮膚症状の改善効果が期待できるとされています。
海外では「尋常性ざ瘡(ニキビ)」の治療目的で使用されることもありますが日本ではこの効能での承認はありません。ただし、医療機関でも自費診療で処方されることはあります。
皮膚症状改善効果は、デソゲストレルがアンドロゲン受容体への結合を阻害し、皮脂分泌を抑制するメカニズムによるものです。具体的には以下の仕組みになります。
- 男性ホルモンの分泌を抑える
ノベロンを服用することで、体の中で作られる男性ホルモン(テストステロン)が減り、ニキビや毛深さの原因となるホルモンの影響が弱まります。
- ホルモンを運ぶたんぱく質を増やす
ノベロンは、血液中で男性ホルモンを運ぶたんぱく質を増やします。これによって、男性ホルモンが働きにくくなり、肌への悪影響が減ります。
- 皮脂の過剰分泌を防ぐ
男性ホルモンの一部は、より強力なホルモン(DHT)に変わり、皮脂を過剰に出す原因になります。ノベロンはこの変化を抑えることで、皮脂の過剰分泌を防ぎ、ニキビができにくくなります。
ノベロンによる月経関連症状の改善
月経困難症だけでなく、月経前症候群(PMS)や月経過多、周期不順など、様々な月経関連症状の改善が期待できることが知られています。
ノベロンの警告・禁忌・副作用
警告
血栓症(手足の腫れ・痛み、呼吸困難、激しい頭痛など)の初期症状が現れた場合は直ちに服用中止し、医療機関を受診する。
禁忌
- 本剤の成分に対し過敏性のある方
- エストロゲン依存性悪性腫瘍(例えば乳癌、子宮内膜癌)、子宮頸癌およびその疑いのある方
- 診断の確定していない異常性器出血のある方
- 血栓性静脈炎、肺塞栓症、脳血管障害、冠動脈疾患またはその既往歴のある方
- 35歳以上で1日15本以上の喫煙者
- 肺高血圧症または心房細動を合併する心臓弁膜症の患者、亜急性細菌性心内膜炎の既往歴のある心臓弁膜症の方
- 血管病変を伴う糖尿病の方(糖尿病性腎症、糖尿病網膜症等)
- 血栓性素因のある方
- 抗リン脂質抗体症候群の方
- 手術前4週以内、術後2週以内、産後4週以内および長期間安静状態の方
- 重篤な肝障害のある方
- 肝腫瘍のある方
- 脂質代謝異常のある方
- 高血圧のある方
- 耳硬化症の方
- 妊娠中または妊娠している可能性のある方
- 授乳中の方
- 骨成長が終了していない可能性がある方
- オムビタスビル水和物・パリタプレビル水和物・リトナビル配合剤を服用中の方
副作用
- 悪心、頭痛、乳房痛、不正出血、むくみ、体重増加、気分変動など
- 血栓症(脚の痛み腫れ、突然の息切れ、胸痛、激しい頭痛、視力障害など)
- 肝機能障害(体のだるさ、黄疸、食欲不振など)
Yuu血栓症は重篤な副作用の一つです。年齢、喫煙、肥満、家族歴などの有無にかかわらず、血栓症が起こることがあります。
下肢の急激な痛み・腫れ、突然の息切れ、胸痛、激しい頭痛、四肢の脱力・麻痺、構語障害、急性視力障害などが現れた場合は、直ちに服用を中止し、救急医療機関を受診してください。
ノベロンの他の薬との相互作用
併用しないこと
- オムビタスビル水和物・パリタプレビル水和物・リトナビル配合剤(ヴィキラックス)
併用に注意すること
- 副腎皮質ホルモン(プレドニゾロン等)
- リファンピシン
- バルビツール酸系製剤
- テトラサイクリン系抗生物質(テトラサイクリン等)
- テルビナフィン塩酸塩
- Gn-RH誘導体(ブセレリン酢酸塩等)
- 血糖降下剤(インスリン製剤等)
- ラモトリギン
- モルヒネ(サリチル酸)
- HIV感染症治療薬(HIVプロテアーゼ阻害剤等)
- 非ヌクレオシド系逆転写酵素阻害剤(エファビレンツ、エトラビリン等)
- HCV感染症治療薬(アスナプレビル)
- フルコナゾール
- イトラコナゾール
- ボリコナゾール
- アセトアミノフェン
- セイヨウオトギリソウ(St. John’s Wort、サプリメント・健康食品含む)
これらの薬剤や成分は、肝臓の代謝酵素を強く誘導し、レベロンの有効成分を急速に分解します。そのため、避妊効果が著しく低下し、不正出血や予期しない妊娠のリスクが高まります。特にセイヨウオトギリソウは健康食品やサプリメントにも含まれているため注意が必要です。
ノベロンの注意事項
- 血栓症のリスクが高まる状態(長期間の安静、手術前後、脱水、顕著な血圧上昇など)がある場合は、服用を中止し医療機関を受診してください。
- 服用開始時・継続時には病歴調査や検診(血圧、乳房・腹部の検査、臨床検査)が必要です。6か月ごとに定期検診、1年に1回は婦人科検診を受けてください。
- 乳がんの自己検診や定期的な乳房検診も推奨されます。
- 不正性器出血が長期間続く場合は、悪性疾患でないことを確認してください。
- 激しい下痢や嘔吐が続いた場合は薬の吸収が不十分となるため、その周期は他の避妊法も併用してください。
- 2周期連続で消退出血がない場合や長期間の不正出血が続く場合は、妊娠の有無を必ず確認してください。
以下の疾患を罹患している方は服用に注意が必要です。主治医にノベロンを服用してよいかを確認しましょう。
- 40歳以上の女性(特に1日15本以上の喫煙者には投与不可)
- 子宮筋腫のある方(発育を促進する恐れ)
- 乳がんの既往歴や家族歴、乳房に結節がある方(定期的な乳房検診が必要)
- 肥満、血栓症の家族歴、前兆を伴わない片頭痛、心臓弁膜症、軽度の高血圧、耐糖能低下、ポルフィリン症、心疾患、てんかん、テタニー、腎疾患、肝障害のある方
ノベロンのよくある質問
ノベロンはニキビや肌荒れにも効果がありますか?
ノベロンには男性ホルモンの作用を抑える働きがあり、ニキビや肌荒れの改善効果が期待できます。特にノベロンに含まれるデソゲストレルは男性化作用が少なく、皮脂の分泌を抑えるため、ニキビ肌の方にも選ばれています。ただし、効果の現れ方には個人差があります。
ノベロンの原産国や製造会社はどこですか?
本サイトで取り扱うノベロンはインドのOrganon(India)Private Limitedが製造しています。日本国内で処方される同成分の薬(マーベロン)は主にMSD(メルクシャープアンドドーム)が販売しています。個人輸入の場合は、品質や安全性に十分ご注意ください。
ノベロンを飲むと太ることはありますか?
ノベロンを含む低用量ピルが直接的に体重増加を引き起こすという科学的根拠はありません。ただし、服用初期にはホルモンの影響でむくみや食欲増進が起こり、一時的に体重が増えたように感じることがあります。多くの場合、体が慣れると自然に落ち着きます。
長期間飲み続けても大丈夫ですか?
WHO(世界保健機関)の見解では、健康な女性で禁忌がなければノベロンのような経口避妊薬を長期間継続しても特別なリスク増加はないとされています。ただし、年齢や体調の変化に応じて、定期的な健康診断や血液検査を受けることが推奨されています。
食事の影響はありますか?
ノベロンは食事による大きな影響はなく、基本的に食事のタイミングに関係なく服用できます。ただし、特定の食品やサプリメント(例:セイヨウオトギリソウ)は薬効に影響を与えるため、併用は避けてください。