フロニダクリームは、皮膚がんの治療に用いられることがある外用薬です。

先発医薬品である「5-FU軟膏」と同じ有効成分「フルオロウラシル」を含有するジェネリック医薬品にあたります。

フルオロウラシルは、ピリミジン系代謝拮抗薬に分類される抗がん成分です。

主に皮膚の悪性腫瘍に対する局所的な治療薬として、その効果が期待されています。

また、紫外線によるシミやしわといった肌トラブルへの改善効果も報告されています。

フロニダクリームは、Menarini（メナリーニ）社によって製造・販売されています。

フロニダクリームは、5-FU軟膏のジェネリック医薬品であり、有効成分は同じ「フルオロウラシル」です。

そのため、フロニダクリームには、5-FU軟膏と同等の効果が期待できると考えられています。

ジェネリック医薬品は、先発医薬品の特許期間満了後に、同じ有効成分で製造・販売される医薬品を指します。

開発費用が抑えられるため、一般的に先発医薬品よりも安価で提供されることが多いのが特徴です。

ジェネリック医薬品（後発医薬品）は、先発医薬品（新薬）の特許期間が終了した後に、同じ有効成分を用いて製造・販売される医薬品のことです。

先発医薬品と効能・効果、用法・用量が原則的に同じであり、品質、有効性、安全性についても国が厳格な審査を行っています。

新薬開発にかかる莫大な費用や時間が不要なため、一般的に薬価が低く設定されており、患者さんの負担軽減や医療費の抑制に貢献します。

フロニダクリームは、5-FU軟膏のジェネリック医薬品に該当します。

フロニダクリームの主な適応は、皮膚の悪性腫瘍です。

具体的には、有棘細胞癌、基底細胞癌、皮膚附属器癌、皮膚転移癌などが挙げられます。

また、ボーエン病、パジェット病、放射線角化腫、老人性角化腫、紅色肥厚症、皮膚細網症、悪性リンパ腫の皮膚転移といった、がんの前段階や関連する皮膚病変にも用いられます。

さらに、老人性色素斑（いわゆるシミ）、肝斑、雀卵斑（そばかす）、摩擦黒皮症、炎症後色素沈着といった色素沈着の改善効果も期待され、世界で広く使用されています。

フロニダクリームの有効成分フルオロウラシルは、様々な皮膚悪性腫瘍に対して有効性が認められています。

先発医薬品である5-FU軟膏を用いた臨床試験では、皮膚がん（有棘細胞癌、基底細胞癌など）やその前段階の病変（ボーエン病、パージェット病など）を含む、幅広い皮膚悪性腫瘍の患者さんを対象に行われました。

その結果、多くの症例で腫瘍を半分以下に縮小させる効果が確認され、疾患全体での有効率は81.9%（94例中77例）と報告されています。

フロニダクリームは5-FU軟膏と同じ有効成分を含んでいるため、同等の臨床効果が期待できます。

フロニダクリームの有効成分フルオロウラシルには、シミやしわを改善する可能性が示唆されています。

海外の研究において、フルオロウラシルの外用により、紫外線や加齢が原因とされる光老化に伴うシミやしわが減少したという報告があります。

この効果は、フルオロウラシルが持つ創傷治癒の促進作用やコラーゲン産生の増加作用によるものと考えられています。

ただし、これらの効果はまだ研究段階であり、現時点で確実な有効性を示す十分なデータは確立されていません。

フロニダクリームは、通常、1日に1回から2回、適量を患部に直接塗布します。

塗布する際は、薬剤が目に入らないように細心の注意を払ってください。

万が一、目に入った場合は、すぐに大量の水で洗い流し、医師の診察を受けてください。

塗布後は、すぐに石鹸などで手をよく洗ってください。

閉鎖密封療法（ODT）という方法で用いられることもあります。

ODT（Occlusive Dressing Technique：閉鎖密封療法）とは、フロニダクリームを塗布した部分を、サランラップのような防水性のフィルムで覆う治療法です。

この方法により、薬剤の皮膚への浸透が高まり、患部での効果が増強されると考えられています。

また、薬剤が患部以外の健康な皮膚や衣類などに付着するのを防ぐ目的もあります。

ODTを行うかどうか、また具体的な方法については、治療する疾患や状態によって異なりますので、医師または薬剤師の指示に従ってください。

塗り忘れに気づいた際は、できるだけ早く1回分を塗布してください。

ただし、次の塗布時間が迫っている場合は、忘れた分は塗らずに飛ばしてください。

次回の塗布時間に、通常の1回分を塗布するようにしましょう。

決して、2回分の量を一度に塗布しないでください。

フロニダクリームの主な副作用として、塗布した部位に以下のような症状が現れることがあります。

• 疼痛（痛み）
• 色素沈着（シミのように色が濃くなる）
• 発赤（赤み）
• 局所の出血傾向（出血しやすくなる）

これらの症状は、薬剤が作用していることによる反応である場合もあります。

フロニダクリームを塗布した部位に、我慢できないほどの激しい痛みが生じた場合には、自己判断せず医師に相談してください。

医師の判断により、症状を和らげるためにステロイド軟膏が併用されることがあります。

場合によっては、フロニダクリームの使用を一時的に中止するなどの処置が取られることもあります。

その他の副作用についても、症状が気になる場合や悪化するような場合は、医師または薬剤師に相談するようにしましょう。

過去にフロニダクリームの有効成分であるフルオロウラシルに対して過敏症（アレルギー反応など）を起こしたことがある方は、使用できません（禁忌）。

また、以下に該当する方は、使用前に必ず医師に相談する必要があります（使用注意）。

• 妊娠中の方
• 授乳中の方
• 妊娠している可能性のある方

ご自身の判断で使用せず、必ず医師の指示に従ってください。

現在のところ、フロニダクリームとの併用が禁止されている特定の薬剤（併用禁忌薬）は報告されていません。

しかし、他の外用薬（塗り薬）を使用している場合や、内服薬（飲み薬）を使用している場合は、相互に影響する可能性も考えられます。

現在使用中の薬がある場合や、新たに薬の使用を開始する場合は、念のため医師または薬剤師に相談することをおすすめします。

フロニダクリームは、光、温度、湿度によって品質が影響を受ける可能性があるため、適切な保管が必要です。

以下の点に注意して保管してください。

• 高温多湿や直射日光を避け、なるべく涼しい場所に保管してください。
• 特に夏場など、長時間にわたって車の中に放置しないようにしてください。
• 小さなお子様の手が届かない安全な場所に保管してください。
• 容器や箱に記載されている使用期限を必ず確認し、期限が過ぎたものは使用せず、適切に廃棄してください。
• もし錠剤を分割して使用する指示があった場合、分割したものは品質が変化しやすいため、できるだけ早めに使用してください。（※フロニダクリームはクリーム剤ですが、一般的な医薬品の保管注意として記載されている情報に基づきます）

フロニダクリームは、Menarini（メナリーニ）社によって製造・販売されています。

メナリーニ社はイタリアに本社を置く、国際的な製薬企業です。