ノベヒール(低用量ピル:マーベロン/ノベロン ジェネリック)
ノベヒールは、日本国内で広く処方されているマーベロン21(海外の先発薬は「ノベロン」)と同一成分・同一量を配合したジェネリックの低用量経口避妊薬(ピル)です。避妊はもちろん、生理不順や月経痛、PMS(生理前症候群)、過多月経の緩和にも用いられています。
先発品同等の品質と効果ながら、手頃な価格を実現しており、通販や個人輸入で正規品を安心して手にできる点が特徴です。
なお、本ページは薬剤師が執筆しております。
Yuu総合病院で院内薬剤師として勤務し、糖尿病病棟の担当や患者さん向けの講座開催を経験しました。その後は調剤薬局にて在宅訪問や無菌調剤にも携わり、幅広い現場での知識と実践を積んでいます。
また、食と健康のつながりを深めるため薬膳アドバイザーの資格も取得しています。
さらに、医学誌編集経験を持つ看護師が最終確認を行い、医療の専門家による二重のチェック体制で情報の正確性を担保しています。
Ray看護師資格を有し、総合病院で勤務。退職後、出版社に勤務し、医学誌の編集も担当しておりました。
※本ページの初稿は薬剤師が執筆しております。メドノア編集部が必要に応じて加筆・修正を行いますが、その際も情報の正確性と信頼性を損なわないよう細心の注意を払っています。
ノベヒールの概要
- マーベロン21と同一成分・同じ効果のジェネリック
- 副作用を抑えやすい一相性の低用量ピル
- 避妊・月経困難症の改善
- 生理痛軽減・PMS(月経前症候群)改善、月経周期の安定化など多目的で利用可能
- 子宮内膜症の予防・症状軽減
- 卵巣がん・子宮体がんのリスク軽減
- ニキビの改善
- 不妊治療への利用も可能
ノベヒールの製造・販売は、「ヒーリングファーマ・インディア(Healing Pharma India Private Limited)」が担っています。ヒーリングファーマはインド国内はもちろん、世界各国でジェネリック医薬品供給実績を持つ製薬企業です。
国際規格に基づいて製品の品質管理を徹底し、有効成分の分析や偽薬排除にも取り組むなど、厳格な管理体制のもとで生産されています。
| 商品名 | ノベヒール |
|---|---|
| 内容量 | 21錠 |
| 効果・効能 | 避妊、生理痛緩和、月経周期安定、PMS/過多月経改善他 |
| 有効成分 | ・デソゲストレル 0.15mg ・エチニルエストラジオール 0.03mg |
| 副作用 | 吐き気、乳房の張り、頭痛、倦怠感、不正出血 まれに血栓症など |
| 形状・剤形 | 錠剤/シートタイプ |
| ブランド | ヒーリングファーマ・インド(Healing Pharma India Private Limited) |
Yuuノベヒールを飲み始めた最初の1〜2ヶ月は、軽い吐き気や不正出血がありますが、通常は体が慣れて自然に治まります。もし、3ヶ月以上経っても続く場合は医療機関を受診してください。
ノベヒールはこんな方におすすめ
- 避妊を確実に行いたい方
- 月経困難症を改善したい方
- PMS(月経前症候群)や月経痛が強い方
- 生理不順や過多月経に悩む方
- コストを抑えて信頼できる低用量経口避妊薬を使いたい方
- 飲み忘れや飲み間違いを減らしたい方
- ニキビやホルモンバランスによる不調を軽減したい方
- 子宮内膜症の予防
Yuuノベヒールはマーベロン21のジェネリック医薬品で、避妊目的で広く使われていますが、生理に関するお悩みで婦人科を受診される方にも選ばれることが多いお薬です。
つまり、避妊以外の目的での服用も一般的だと言えるお薬です。
ノベヒールの有効成分について
有効成分は「デソゲストレル」と「エチニルエストラジオール」の2種類の合成ホルモンです。
デソゲストレルは第3世代の黄体ホルモンであり、アンドロゲン作用(男性ホルモン作用)が弱いため、ニキビや多毛といった副作用が従来の成分より少ないことが特徴です。加えて、エチニルエストラジオールは卵胞ホルモンとして月経周期や子宮内膜の状態を安定させる役割を担います。
ノベヒールの効果・効能
- 避妊
- 月経困難症
有効成分であるデソゲストレルとエチニルエストラジオールの相互作用により、排卵の抑制や子宮内膜の状態変化、頸管粘液の性状変化をもたらし、服用を徹底することで非常に高い避妊効果が期待できます。また、生理痛の緩和にも効果があります。
Yuuノベヒールは、避妊、月経困難症の治療を目的として承認されている低用量経口避妊薬です。毎日一定量のホルモンを補うことで、確実な避妊効果と月経困難症の症状緩和が期待できます。
より確実な効果を得たい方は服用方法や正しい服用サイクル、注意事項を守りましょう。
ノベヒールの服用方法・使用方法
| 1回の用量 | 1錠 |
|---|---|
| 1日の服用回数 | 1回 |
| 服用間隔 | 24時間 |
| 服用するタイミング | 毎日同じ時刻に服用 |
使用上の注意
- 避妊効果を最大限発揮するために毎日同じ時間に服用する
- 嘔吐や激しい下痢が続いた場合、薬の吸収が不十分になることがあるため、その周期は他の避妊法の併用が必要
- 服用中は禁煙を推奨(血栓症リスク増加)
- 生理初日以外からの開始や出血日が曖昧な場合には、連続7日間服用するまで他の避妊法を用いること
- 服用後に異常が認められた場合には、直ちに服用を中止して要受診
- 2周期以上無月経が続くなど妊娠が疑われる場合は服用を中止し医師に要相談
Yuuノベヒールを服用する場合は『禁煙』が原則です。特に35歳以上で喫煙習慣がある方は血栓リスクが急上昇するため、必ず医師の許可を得てください。
飲み忘れた場合の対応
- 前日に1錠飲み忘れた場合:気づいたタイミングですぐに飲み忘れた分を服用し、その日の分は通常通り服用する。
- 2日以上連続で飲み忘れた場合:すぐに直近の飲み忘れ分(1錠)を服用し、その日の分も通常通り服用したあと、翌日からまた1日1錠ずつ服用する。
Yuu避妊効果や月経困難症の軽減効果を十分に得るためには、毎日決まった時間に服用することがとても大切です。飲み忘れが続くと、これらの効果が十分に得られなくなる可能性があります。
また、休薬期間後の服用再開も忘れがちなので、カレンダーでのスケジュール管理やアラームなどを活用して、忘れずに服用してください。
生理日を前後にずらすノベヒールの飲み方
生理を早めたい場合
生理を早めたいときは、薬を予定より早く飲み終え、そのまま休薬期間に入ります。休薬を始めてから数日以内に生理(消退出血)が起こります。飲み終えた後は、次の新しいシートから通常通り服用を再開してください。
生理を遅らせたい場合
薬を追加で服用し続けてください。希望する日まで毎日1錠ずつ飲み続け、生理を来させたいタイミングで服用を中止します。その後、7日間の休薬期間に入ると生理が始まります。生理を遅らせる場合は、2シート目の薬を使う必要があるため、事前に準備してください。
Yuuノベヒールで生理日を調整する場合は飲み方を変えることで可能です。ただし、生理日調整は一時的な対応として行いましょう。頻繁な調整は体への負担になるためおすすめできません。
男性ホルモン抑制作用による皮膚症状の改善
ノベヒールの黄体ホルモン成分(デソゲストレル)は、男性ホルモン(アンドロゲン)作用が弱いため、ニキビや多毛症などの皮膚症状の改善効果が期待できるとされています。
海外では「尋常性ざ瘡(ニキビ)」の治療目的で使用されることもありますが日本ではこの効能での承認はありません。ただし、医療機関でも自費診療で処方されることはあります。
皮膚症状改善効果は、デソゲストレルがアンドロゲン受容体への結合を阻害し、皮脂分泌を抑制するメカニズムによるものです。具体的には以下の仕組みになります。
- 男性ホルモンの分泌を抑える
ノベヒールを服用することで、体の中で作られる男性ホルモン(テストステロン)が減り、ニキビや毛深さの原因となるホルモンの影響が弱まります。 - ホルモンを運ぶたんぱく質を増やす
ノベヒールは、血液中で男性ホルモンを運ぶたんぱく質を増やします。これによって、男性ホルモンが働きにくくなり、肌への悪影響が減ります。 - 皮脂の過剰分泌を防ぐ
男性ホルモンの一部は、より強力なホルモン(DHT)に変わり、皮脂を過剰に出す原因になります。ノベヒールはこの変化を抑えることで、皮脂の過剰分泌を防ぎ、ニキビができにくくなります。
ノベヒールの警告・禁忌・副作用
警告
- 血栓症や肝障害など重篤な副作用のリスクがあるため、異常を感じたら直ちに服用を中止し医療機関を受診する
- 特に、脚の急激な痛みや腫れ、突然の息切れ、胸痛、激しい頭痛、視力障害、四肢の脱力麻痺などが現れた場合は、すぐに医療機関を受診する
- HIV感染(エイズ)やその他の性感染症を防止するものではないため、これらの感染防止にはコンドームを使用する
禁忌
- ノベヒールの成分に過敏症のある方
- エストロゲン依存性悪性腫瘍(乳癌、子宮内膜癌など)、子宮頸癌およびその疑いのある方
- 未診断の異常性器出血のある方
- 血栓性静脈炎、肺塞栓症、脳血管障害、冠動脈疾患の既往歴がある方
- 35歳以上で1日15本以上喫煙する方
- 前兆(閃輝暗点、星型閃光など)を伴う片頭痛の方
- 肺高血圧症、心房細動を合併する心臓弁膜症、亜急性細菌性心内膜炎の既往がある方
- 血管病変を伴う糖尿病方(糖尿病性腎症、網膜症など)
- 血栓性素因のある方
- 抗リン脂質抗体症候群の方
- 手術前4週間以内、術後2週間以内、産後4週間以内及び長期間安静状態の方
- 重篤な肝障害のある方
- 肝腫瘍のある方
- 脂質代謝異常のある方
- 高血圧症の方(軽度の高血圧は除く)
- 耳硬化症の方
- 妊娠中に黄疸、持続性そう痒症、妊娠ヘルペスの既往歴のある方
- 妊婦または妊娠の可能性がある女性
- 授乳婦
- 骨成長が終了していない可能性のある女性
副作用
- 吐き気・嘔吐・腹痛・下痢・便秘などの消化器症状
- 頭痛・めまい・眠気などの神経症状
- 不正出血・月経痛・下腹部痛などの生殖器症状
- 乳房の張り・痛み・違和感
- むくみ・体重増加・倦怠感
- 気分変動(イライラ・落ち込みなど)・性欲の変化
- 肌荒れ・発疹・視力障害など
重大な副作用
- 血栓症(脚の痛み・腫れ、突然の息切れ、胸痛、激しい頭痛、視力障害など)
- 肝機能障害(体のだるさ、黄疸、食欲不振など)
Yuu血栓症は重篤な副作用の一つです。年齢、喫煙、肥満、家族歴などの有無にかかわらず、血栓症が起こることがあります。
下肢の急激な痛み・腫れ、突然の息切れ、胸痛、激しい頭痛、四肢の脱力・麻痺、構語障害、急性視力障害などが現れた場合は、直ちに服用を中止し、すぐに医療機関を受診してください。
ノベヒールの他の薬との相互作用
併用しないこと
- オムビタスビル水和物
- パリタプレビル水和物
- リトナビル(オムビタスビル・パリタプレビル・リトナビル配合剤)
いずれもC型肝炎治療薬(ヴィキラックス配合錠等)です。治療終了約2週間後より投与再開可能とされています。
併用に注意すること
- 副腎皮質ホルモン(プレドニゾロン 他)
- 三環系抗うつ薬(イミプラミン、クロミプラミン 他)
- セレギリン塩酸塩
- シクロスポリン
- テオフィリン
- オメプラゾール
- リファンピシン
- バルビツール酸系製剤(フェノバルビタール等)
- ヒダントイン系製剤(フェニトイン等)
- カルバマゼピン
- ラモトリギン
- テトラサイクリン系抗生物質
- ペニシリン系抗生物質
- ボセンタン
- モダフィニル
- ネルフィナビル
- ダルナビル
- ホスアンプレナビル(リトナビル併用時)
- ロピナビル・リトナビル配合剤
- ネビラピン
- エファビレンツ
- エトラビリン
- セイヨウオトギリソウ(サプリメント含む)
- Gn-RH誘導体製剤
- グレカプレビル水和物・ピブレンタスビル配合剤(マヴィレット配合錠など)
- インスリン製剤
- スルホニル尿素系血糖降下剤(グリベンクラミド等)
- スルフォンアミド系血糖降下剤(トルブタミド等)
- ビグアナイド系血糖降下剤(メトホルミン等)
- モルヒネ
- サリチル酸
- フルコナゾール(抗真菌薬)
- イトラコナゾール(抗真菌薬)
- ボリコナゾール(抗真菌薬)
- テルビナフィン(抗真菌薬)
- アセトアミノフェン
ノベヒールの効果減弱や副作用が強まる可能性があります。
ノベヒールの注意事項
- 毎日決まった時間に水またはぬるま湯で1錠ずつ服用してください。
- 服用開始は必ず月経の初日から行い、開始が遅れた場合は最初の1週間は他の避妊法と併用してください。
- 服用中に激しい下痢や嘔吐が続くと成分の吸収が不十分になり、効果減弱の可能性があります。服用後4時間以内に嘔吐した場合は、追加で1錠服用することを検討してください。
- 妊娠中または妊娠の可能性がある女性、授乳中の使用は禁止されています。
- 手術前4週間以内、術後2週間以内、産後4週間以内、及び長期間の安静状態の際は服用を避けてください。
- 服用中は血栓症の徴候(脚の急激な痛み・腫れ、突然の息切れ、胸痛、激しい頭痛、視力障害など)に注意し、これらの症状が現れたら速やかに服用を中止し医療機関に相談してください。
- 保管は子供の手の届かない場所で、室温管理し、使用期限を守ってください。
- ノベヒールは性感染症を防止する効果はありません。性感染症予防にはコンドームの併用が必要です。
- 持病がある方や治療中の病気がある方は、必ず主治医にノベヒールの服用可否を確認してください。
ノベヒールのよくある質問
ノベヒールを服用すると太る可能性はありますか?
体重が増加する可能性はありますが、多くはむくみや一時的なホルモンバランスの変化によるものです。脂肪が増えるわけではなく、顕著な体重増加は一般的ではありません。
ノベヒールを服用中に不正出血があった場合はどうしたらいいですか?
服用開始数ヶ月は、体がホルモンバランスに慣れるまで少量の不正出血がみられることがよくあります。この出血は、服用を続けることで多くの場合自然に治まります。
ただし、1週間以上出血が続く、出血量が多い、強い腹痛を伴う場合は別の原因(子宮や卵巣の病気、貧血、感染症など)が隠れている可能性もあるため、自己判断せず医療機関を受診してください。
ノベヒールを服用すると妊娠できなくなりますか?
一般的に低用量ピルは服用をやめると排卵が再開し、妊娠できるようになります。
日本産科婦人科学会などのガイドラインでも、ピルを中止した後の妊娠率はピルを使用していない女性と同じで、将来の妊娠に影響はないとされています。 ほとんどの方が服用をやめてから数ヶ月以内に妊娠が可能な状態に戻ります。