セビフィン(水虫の治療薬:ラミシール ジェネリック)
セビフィンは、ラミシール錠のジェネリック医薬品で、有効成分としてテルビナフィン250mgを配合した内服型の抗真菌薬です。爪水虫や足白癬など、治りにくい白癬症状に対して高い有効性を発揮します。無駄のない少量パッケージ設計により、長期的な治療でも効率的に使用でき、費用面でも続けやすい点が魅力です。
なお、本ページは薬剤師が執筆しております。
Yuu総合病院で院内薬剤師として勤務し、糖尿病病棟の担当や患者さん向けの講座開催を経験しました。その後は調剤薬局にて在宅訪問や無菌調剤にも携わり、幅広い現場での知識と実践を積んでいます。
また、食と健康のつながりを深めるため薬膳アドバイザーの資格も取得しています。
さらに、医学誌編集経験を持つ看護師が最終確認を行い、医療の専門家による二重のチェック体制で情報の正確性を担保しています。
Ray看護師資格を有し、総合病院で勤務。退職後、出版社に勤務し、医学誌の編集も担当しておりました。
※本ページの初稿は薬剤師が執筆しております。メドノア編集部が必要に応じて加筆・修正を行いますが、その際も情報の正確性と信頼性を損なわないよう細心の注意を払っています。
セビフィンの概要
- 爪水虫や足白癬など白癬症の内服治療薬
- ラミシール錠のジェネリック医薬品
- 有効成分テルビナフィンを250mg配合
- 白癬菌への高い有効率
- 1箱に30日分相当(15錠)の少量パッケージで経済的
セビフィンの製造元であるサンファーマ(Sun Pharmaceutical)は、1983年にインドのムンバイに設立された国際的な製薬会社です。ジェネリック医薬品を中心に精神薬、神経薬、心臓病薬、糖尿病薬など幅広い分野の医薬品を製造し、世界40カ国以上に供給しています。
2014年には世界5位のジェネリック製薬企業へ成長し、日本法人は2012年に設立されました。特に皮膚科学領域を中心とした医薬品を提供しており、高品質な医薬品の安定供給と研究開発に注力しています。
| 商品名 | セビフィン |
|---|---|
| 内容量 | 15錠 |
| 効果・効能 | 深在性皮膚真菌症(白癬性肉芽腫・スポロトリコーシス・クロモミコーシス) 表在性皮膚真菌症(爪・手足・毛部・頭部などの白癬) 爪カンジダ症など ※ただし、外用治療困難例 |
| 有効成分 | テルビナフィン塩酸塩 250mg |
| 副作用 | 消化器症状、肝機能数値の異常、血液障害 まれに重篤な肝障害 |
| 形状・剤形 | 錠剤(半錠にカットして服用) |
| ブランド | サンファーマ(Sun Pharmaceutical) |
セビフィンはこんな方におすすめ
- 爪水虫など治りにくい白癬症状でお悩みの方
- ラミシール錠を服用し効果を実感した方
- 経済的な治療を希望する方
- 病院に行く時間がとりにくい方
Yuuセビフィンは短期間で治療を終えたい方や、追加治療が必要な方にも無駄なく使えるよう、少量パッケージになっています。
また、ラミシール錠を使用したことがある方にとっては、ネットで手軽に購入できる点も大きな魅力です。
セビフィンの有効成分について
セビフィンの主成分であるテルビナフィンは、皮膚や爪に感染する真菌の細胞膜を構成する重要な成分であるエルゴステロールの生成を阻害することで作用します。エルゴステロールは真菌の細胞膜の安定性や機能を保つために不可欠な物質であり、これが不足すると細胞膜の構造が乱れ、真菌は正常に機能できなくなります。
テルビナフィンは、エルゴステロールの合成過程の中で特に重要な役割を果たす酵素、スクアレンエポキシダーゼの活性を選択的に抑制します。この酵素が働かなくなると、前駆体であるスクアレンが細胞内に蓄積し、エルゴステロールの生産が大幅に減少します。
結果として真菌の細胞膜が劣化し、真菌の増殖や生存が阻害されるため、感染の拡大を抑えつつ症状の改善へとつながります。さらに、この作用は真菌に対して特異的であり、人の細胞には影響を及ぼしにくいという特徴もあります。
セビフィンの効果・効能
- 深在性皮膚真菌症
- 白癬性肉芽腫
- スポロトリコーシス
- クロモミコーシス
- 表在性皮膚真菌症
- 白癬(いんきんたむしなどの皮膚真菌症)
- 爪白癬(爪の水虫)
- 手・足白癬(一部の角質が厚いタイプや足の指の間の部分のひどい症状を含む)
- 生毛部白癬(股部や体の毛のある部分の感染)
- 頭部白癬(頭皮の水虫)
- ケルスス禿瘡(頭皮の脱毛症)
- 白癬性毛瘡(皮膚や毛穴に真菌(白癬菌)が感染して起こる炎症)
- 生毛部急性深在性白癬(生えている毛のある部位で起こる急性の深い皮膚感染症)
- 硬毛部急性深在性白癬(硬い太い毛の部位に発症する急性の深い白癬感染症)
- 白癬(いんきんたむしなどの皮膚真菌症)
- カンジダ症
- 爪カンジダ症(爪のカンジダ菌感染)
セビフィンは、皮膚や爪に感染するさまざまな真菌による病気の治療に効果を発揮します。特に、塗り薬では治りにくい深い部分の真菌感染や爪の水虫など、広い範囲や重度の症状に対応可能です。
例えば、爪の水虫や足の指の間のひどい水虫、股間や体毛が生えている部分のかゆみや炎症、頭皮の水虫や脱毛症にも効果を発揮します。また、爪のカンジダ菌による感染症の治療も可能です。
皮膚の症状が広がっている場合や外用薬で十分な効果が得られない際に、体の内側から真菌を効果的に駆除し、感染を改善します。
Yuuセビフィンは、爪や厚くなった皮膚の水虫など、表面だけでなく体の深い部分まで真菌が感染している場合にもしっかり効果を発揮します。
セビフィンの服用方法・使用方法
| 1回の用量 | 1/2錠(テルビナフィンとして125mg) |
|---|---|
| 1日の服用回数 | 1回 |
| 服用間隔 | 24時間 |
| 服用するタイミング | 食後(時間帯指定は特になし) |
セビフィンは1錠にテルビナフィンが250mg含まれていますが、日本国内での一般的な1回投与量は125mgです。そのため、正しい用量で服用するために1錠を半分に割って125mgずつ使います。
錠剤をピルカッターなどで半分に割り、水またはぬるま湯で服用してください。有効成分は胃酸を利用して吸収されるため、胃酸が少ない空腹時の服用は避けます。
Yuuセビフィンは有効成分テルビナフィン由来の苦味が非常に強く、割った錠剤が粉々になると服用しづらくなる場合があります。
そのため、錠剤を半分にする際は割りすぎて粉々にならないように注意しましょう。ピルカッターなどの専用器具を使うときれいに割ることが可能です。
割った断面や錠剤の粉が手についた場合は、速やかに洗い流してください。体質によっては皮膚に異常が起こることもあるため、素手で長時間触れないよう注意が必要です。
使用上の注意
- 服用前に肝機能検査および血液検査を受けることが推奨されます。特に重篤な肝障害(肝不全、肝炎、胆汁うっ滞、黄疸など)や血液障害(汎血球減少、無顆粒球症、血小板減少)の既往がないかの確認が重要です。
- 服用中は重篤な肝障害や血液障害が起こる可能性があり、死亡例も報告されています。副作用や異変に注意し、定期的に肝機能検査および血液検査を行い、経過を十分に観察してください。
- 持病のある方、高齢者、妊娠中または授乳中の女性、小児は服用前に医療機関に相談してください。
- 飲み忘れに気づいたときは、すぐに1回分を服用してください。ただし、次の服用時間が近い場合は、忘れた分は飲まずに次回から通常通り服用します。1度に2回分をまとめて飲まないでください。
- 服用後に倦怠感、黄疸症状(皮膚や白目の黄変)、出血傾向、発熱、皮疹、強いめまいなど異常が認められた場合はただちに服用を中止し、速やかに医療機関を受診してください。
- 服用開始前および服用中は添付文書をよく読み、医薬品の正しい使用方法と副作用のリスクについて十分理解してください。
- 眠気やめまいが起こることがあるため、自動車の運転や高所での作業の際は注意してください。
Yuu治療中は、爪や皮膚の様子をこまめにチェックしましょう。白く濁っている部分やシミのような跡が残っている間は、薬の服用を途中でやめないことがとても大切です。
感染の場所や症状の重さによって、治療にかかる期間は人それぞれ違います。自己判断で薬をやめると、症状が戻ったり、耐性菌(薬が効きにくい菌)ができることがあります。
ご自分の状態に合わせて、根気よく続けることがポイントです。
セビフィンの警告・禁忌・副作用
警告
- 重篤な肝障害(肝不全、肝炎、胆汁うっ滞、黄疸等)および血液障害(汎血球減少、無顆粒球症、血小板減少)があらわれることがあり、これらにより死亡例も報告されている。
- 服用前に肝機能検査および血液検査を行うことが推奨される。
- 服用中は随伴症状(黄疸、倦怠感、発熱、皮膚症状など)に十分注意し、定期的に肝機能検査および血液検査を継続して行うことが必要。
- 重篤な肝障害や血液障害が疑われる場合は速やかに服用を中止し、適切な処置を行うこと。
- 服用開始に際しては添付文書を熟読すること。
禁忌
- 重篤な肝障害のある方(肝不全、重度の肝炎など)
- 重篤な血液障害のある方(汎血球減少、無顆粒球症、血小板減少など)
- セビフィンの成分に対し過敏症の既往歴のある方
重大な副作用
- 肝機能障害(肝炎、肝不全、黄疸など)
- 汎血球減少、無顆粒球症、血小板減少などの血液障害
- アナフィラキシーショックなどの過敏症反応
- Stevens-Johnson症候群、毒性表皮壊死症などの重篤な皮膚反応
副作用
- 発疹、かゆみ、膿疱症、接触皮膚炎などの皮膚障害
- 口内炎
- 吐き気、腹痛、食欲不振などの消化器症状
- 頭痛、めまい
- 胆汁うっ滞性肝障害
- 薬疹
- 発熱
Yuuセビフィンは肝臓で代謝(分解・処理)されるため、肝臓に負担がかかることがあり、服用後は肝障害の兆候を早めに発見することが重要です。
肝機能で異常が出ても、初めのうちは自覚症状がはっきりしない場合が多いです。
そのため、急なだるさや食欲の減退、微熱、黄疸(皮膚や白目が黄色っぽくなる)、発疹など、いつもと違う体の不調を感じた場合は早めに医療機関へ相談し重症化を防ぎましょう。
日々の変化を見逃さず、慎重に体調管理を行いましょう。
セビフィンの他の薬との相互作用
併用しないこと
- 現時点で絶対に併用してはいけない薬剤(併用禁忌)は特に設定されていません。
併用に注意すること
- シメチジン、フルコナゾール:本剤の血中濃度が上昇するおそれがあります。
- リファンピシン:本剤の血中濃度が低下するおそれがあります。
- 三環系抗うつ薬、デキストロメトルファン、β遮断薬、抗不整脈薬、黄体・卵胞ホルモン薬:相互作用による作用増強や副作用の可能性があります。
他の薬剤も相互作用を起こす場合があるので、他に服用中の薬があれば医療機関に相談してください。
セビフィンの注意事項
- 服用前および服用中は肝機能検査、血液検査を実施し、異常が認められた場合は速やかに服用を中止すること。
- 副作用の可能性について十分理解し、異常時は速やかに医療機関に相談する。
- 眠気、めまい・ふらつき等があらわれることがあるため、高所作業、自動車の運転等、危険を伴う機械操作には注意すること。
- 添付文書を十分に熟読すること。
- 腎機能障害の方では血中濃度が高くなるおそれがあるため注意すること。
セビフィンのよくある質問
セビフィンの服用を途中でやめるとどうなりますか?
治ったと思って服用を中断すると再発や耐性菌出現の原因となります。必ず症状が完全に無くなるまで服用を継続してください。
セビフィンを服用中にカフェインやアルコールを摂っても大丈夫ですか?
カフェインは代謝が遅くなるため、摂取量は控えめにしてください。また、アルコールは肝臓に負担をかける可能性があるため、服用中はできるだけ飲酒を避けることが必要です。
爪の水虫はどのくらいで治りますか?
爪が完全に生え変わるまでには、通常半年から1年ほどかかります。特に足の爪の場合は1年以上かかることもあります。感染の場所や症状の重さによって治療期間は大きく異なるため、症状が完全に治るまで根気よく続けることが大切です。