カーネステンクリーム(カンジダ症・水虫の治療薬:エンぺシドクリームの海外版)
カーネステンクリームは、カンジダ症や白癬(水虫)、癜風などの真菌感染症に効果を発揮する外用薬です。有効成分クロトリマゾールが真菌の細胞膜を破壊し、増殖を抑制することで高い治療効果をもたらします。特に皮膚のひだ部分に発生するカンジダ症に効果的で、臨床試験では92.4%という高い有効率が報告されています。
使用方法は簡単で、清潔な患部に1日2~3回塗布するだけです。日本ではエンペシドクリームの名称で知られており、バイエル社が製造している信頼性の高い医薬品です。
なお、本ページは薬剤師が執筆しております。
Atsu薬剤師資格をもち、現在でも調剤薬局で勤務しています。また医療雑誌の編集にも携わっております。
さらに、医学誌編集経験を持つ看護師が最終確認を行い、医療の専門家による二重のチェック体制で情報の正確性を担保しています。
Ray看護師資格を有し、総合病院で勤務。退職後、出版社に勤務し、医学誌の編集も担当しておりました。
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カーネステンクリームの概要
- カンジダ症、白癬(水虫)、癜風などの真菌感染症に効果を発揮する外用抗真菌薬
- 有効成分クロトリマゾールが真菌の細胞膜を破壊し、増殖を抑制
- カンジダ症に対する臨床効果は92.4%と高い有効性を示す
- 日本ではエンペシドクリームの名称で処方されている
カーネステンクリームは、皮膚カンジダ症や白癬(水虫)などの真菌感染症の治療に使用される外用抗真菌薬です。有効成分のクロトリマゾールは広範囲の真菌に対して効果を発揮し、特にカンジダ菌に対する高い抗菌活性を持っています。皮膚に塗布することで病原菌を直接攻撃し、かゆみや炎症などの症状を和らげます。
| 商品名 | カーネステンクリーム |
|---|---|
| 内容量 | 1本30g |
| 効果・効能 | カンジダ症、白癬(水虫)、癜風の治療 |
| 有効成分 | 本品1g中にクロトリマゾール 10mg |
| 副作用 | かゆみ、刺激感、発赤、接触性皮膚炎など |
| 形状・剤形 | クリーム状の塗布剤 |
| ブランド | Bayer(バイエル)社 |
カーネステンクリームはこんな方におすすめ
- カンジダ症(腟カンジダ、おむつかぶれなど)でお悩みの方
- 水虫(足白癬、爪白癬)の治療が必要な方
- 癜風(はんせん)や体部白癬などの皮膚真菌症がある方
カーネステンクリームの有効成分について
カーネステンクリームの有効成分であるクロトリマゾールは、イミダゾール系の抗真菌薬です。真菌の細胞膜の主要成分であるエルゴステロールの合成を阻害することで、細胞膜の機能を破壊します。これにより真菌の増殖を抑制し、最終的には殺菌作用をもたらします。
クロトリマゾールは幅広い抗真菌スペクトルを持ち、カンジダ属、白癬菌、癜風の原因菌であるマラセチア・フルフルなど多くの病原真菌に効果を示します。
カーネステンクリームの効果・効能
- 皮膚カンジダ症(指間びらん、間擦疹、乳児寄生菌性紅斑など)
- 白癬(足白癬、体部白癬、股部白癬など)
- 癜風
カーネステンクリームは、クロトリマゾールの作用によりさまざまな真菌感染症に効果を発揮します。皮膚カンジダ症では、間擦疹(かいざんしん)や指間びらんなどの症状に対して高い治療効果があります。特に皮膚のひだ部分(わきの下、乳房の下、鼠径部など)に発生するカンジダ症に有効です。
また、足白癬(水虫)に対しても効果的で、かゆみや炎症を抑え、皮膚の角質増殖や亀裂などの症状を改善します。癜風(はんせん)に対しても色素脱失や鱗屑(りんせつ)などの症状を改善します。臨床試験では、カンジダ症に対する有効率は92.4%と報告されています。
カーネステンクリームの服用方法・使用方法
| 1回の用量 | 適量 |
|---|---|
| 1日の服用回数 | 1日2~3回 |
| 服用間隔 | 1日2回ならば朝と夜、 3回ならば朝昼夜 |
| 服用するタイミング | 特に指定なし |
Atsuカーネステンクリームは1日1〜2回、清潔にした患部に薄く塗布してください。重要なのは、症状が改善しても指示された期間は継続使用することです。
【疾患別の治療期間】
・足白癬(水虫):最低1ヶ月~数ヶ月。症状消失後もさらに1ヶ月程度継続が必要です。
・体部白癬・股部白癬:2~4週間程度。広範囲や慢性化している場合は長期化します。
・皮膚カンジダ症:1~2週間程度。比較的早く改善しますが、再発しやすい部位には注意が必要です。
・癜風:2~4週間程度。夏季に悪化しやすく、再発予防が重要です。
使用上の注意
- 目に入らないよう注意し、誤って入った場合はすぐに水で洗い流してください
- 症状が悪化した場合は使用を中止してください
- 適用部位以外には使用しないでください
- 塗布後は手をよく洗ってください
カンジダ症と正しい治療について
カンジダ症は、カンジダ属という真菌(酵母)の一種による感染症です。健康な人の皮膚や粘膜にも常在していますが、免疫力の低下や局所環境の変化により過剰に増殖して症状を引き起こします。皮膚カンジダ症は湿った環境で発症しやすく、特に皮膚のひだ部分(指の間、わきの下、鼠径部など)に好発します。
カーネステンクリームによる治療では、患部を清潔に保つことが重要です。入浴後に患部をよく乾かし、通気性を確保することで治療効果が高まります。また、糖尿病やステロイド使用中の方は症状が重症化しやすいため、基礎疾患の管理も重要になります。
Atsuカンジダ症治療では、薬の塗布だけでなく環境改善が重要です。カーネステンクリームを塗布する際は、清潔なタオルで患部を十分に乾燥させてから使用してください。
また、効果を高めるため、合成繊維の下着は避け、綿素材を選ぶことをおすすめします。
カーネステンクリームの警告・禁忌・副作用
警告
特になし
禁忌
- 本剤の成分に対して過敏症の既往歴がある方
- 粘膜(目、口腔内、腟内)への使用は避けてください
副作用
- かゆみ、刺激感、発赤、接触性皮膚炎などの局所刺激症状
カーネステンクリームの他の薬との相互作用
併用しないこと
- 特になし
併用に注意すること
- 特になし
局所的に使用する薬剤のため、全身性の相互作用はほとんど報告されていません。ただし、同じ部位にステロイド外用薬を併用するとカンジダ症の治療に影響を与える可能性があるため、使用を控えることが望ましいでしょう。
カーネステンクリームの他の薬との相互作用
併用しないこと
- グアネチジンなどの降圧薬:血圧が過度に低下するおそれがある
併用に注意すること
- 他の降圧薬:血圧低下作用が増強される可能性がある
- 非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs):ミノキシジルの降圧作用を減弱させる可能性がある
- 副腎皮質ステロイド薬:体液貯留のリスクが増加する
薬物相互作用は複雑であるため、上記以外にも起こる可能性があります。他の薬を服用している場合は、事前に薬剤師や医師に相談することをおすすめします。
Atsuステロイド配合外用薬は、その抗炎症作用により皮膚疾患の炎症やかゆみを抑える効果がありますが、同時に局所免疫機能も抑制します。
この免疫抑制作用により、皮膚常在菌であるカンジダ菌の増殖抑制機構が弱まり、菌の異常増殖が起こります。
したがって、皮膚真菌症が疑われる場合は、抗真菌薬とステロイド薬の併用には慎重な判断が必要です。
特に間擦疹や指間びらんなどカンジダ症が疑われる症状がある場合は、まず抗真菌薬単独での治療を検討し、症状改善後にステロイドの使用を考慮することが望ましいでしょう。
カーネステンクリームの注意事項
- 患部は清潔を保ち、乾燥させることが重要です
- 症状が改善しても、治療期間は塗布を継続してください
- 6週間使用しても症状の改善がみられない場合は、他の真菌症の可能性も考えられます
- 妊娠中や授乳中の方は、使用前に専門家に相談することをおすすめします
カーネステンクリームのよくある質問
カーネステンクリームはどのくらいの期間使用すればよいですか?
カンジダ症の場合、症状が消失してからさらに1〜2週間程度の継続使用が推奨されています。白癬(水虫)の場合は症状消失後も4週間程度の継続使用が望ましいとされています。治療を早期に中止すると再発のリスクが高まるため、推奨される治療期間を守ることが大切です。
カーネステンクリームは妊娠中でも使用できますか?
クロトリマゾールの外用薬は経皮吸収が少ないため、一般的には妊娠中でも使用可能とされていますが、広範囲への使用や長期使用は避けることが望ましいでしょう。妊娠中の使用については、可能であれば事前に専門家に相談することをおすすめします。
カンジダ症が再発しやすいのはなぜですか?
カンジダ菌は常在菌であるため、完全に排除することは困難です。また、糖尿病、免疫機能の低下、抗生物質の使用、ホルモンバランスの変化などが再発リスクを高めます。
再発を防ぐためには、治療を十分な期間継続するとともに、皮膚を清潔に保ち、湿気を避けるなどの予防策が重要です。