アムリプ(高血圧症治療薬/ノルバスク ジェネリック)
アムリプは、高血圧症や狭心症の治療に使用される降圧薬「ノルバスク」のジェネリック医薬品です。
近年、日本では高齢化社会の進行と生活習慣の変化により、高血圧症患者が急速に増加しています。厚生労働省の調査では、20歳以上の国民の約4人に1人が高血圧症を患っており、その多くが長期間にわたる薬物治療を必要としています。
高血圧症を継続的に治療されている方の中には医療費負担に悩まれている方もいるかもしれません。
アムリプは、高血圧症の治療をされている方の経済的負担を軽減しながら、治療効果を提供するために開発されたジェネリック医薬品です。
なお、本ページは薬剤師が執筆しております。
MIU薬剤師資格を有し、総合病院・国立私立大学で勤務。現在、美容専門学校に勤務し、講師業も担当しております。
さらに、医学誌編集経験を持つ看護師が最終確認を行い、医療の専門家による二重のチェック体制で情報の正確性を担保しています。
Ray看護師資格を有し、総合病院で勤務。退職後、出版社に勤務し、医学誌の編集も担当しておりました。
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なお、アムリプの口コミ・効果・感想(レビュー)もございますので、あわせてご覧ください。

アムリプの概要
- ノルバスクと同一成分を配合したジェネリック医薬品
- 高血圧症および狭心症に対して同等の効果を発揮
- 2.5mg錠、5mg錠、10mg錠の3種類を用意
- 1日1回の服用で24時間効果が持続 ・医療費削減に貢献する治療選択肢
アムリプは、製薬会社Cipla(シプラ)社が製造販売しています。血管の収縮を抑制する有効成分アムロジピンを含んだカルシウム拮抗薬で、先発薬ノルバスクと同等の降圧効果を発揮するジェネリック医薬品です。
| 商品名 | アムリプ |
|---|---|
| 内容量 | 10錠 |
| 効果・効能 | 高血圧症、狭心症 |
| 有効成分 | アムロジピン 2.5mg/5mg/10mg |
| 副作用 | ほてり、頭痛、動悸、めまい、浮腫、吐き気、倦怠感など |
| 形状・剤形 | 錠剤 |
| ブランド | Cipla社 |
MIUアムリプは先発薬ノルバスクと生物学的同等性が確認されているため、切り替え時も同じ効果が期待できます。医師の指導のもと適切に使用すれば安全性も確保されます。
アムリプはこんな方におすすめ
- 高血圧症と診断され、継続的な治療が必要な方
- 狭心症の症状改善を目指している方
- 医療費負担を軽減したいジェネリック医薬品希望者
- ノルバスクから切り替えを検討中の方
- 長期間の降圧治療でコストを抑えたい方
アムリプの有効成分について
アムリプの有効成分アムロジピンは、カルシウム拮抗薬と呼ばれる薬剤です。血管壁の平滑筋細胞にあるカルシウムチャネルを遮断することで、血管の収縮を抑制し血圧を下げる作用があります。この働きにより、心臓への負担が軽減され、高血圧による合併症リスクも低下します。
アムリプの効果・効能
- 高血圧症に対する効果
アムリプは過度な血圧上昇を抑制し、血圧を正常値に近づけます。継続的な治療により動脈硬化や心不全などの合併症リスクを軽減でき、24時間にわたって安定した降圧効果を維持します。
- 狭心症に対する効果
アムリプは冠動脈の血流を改善し、心筋への酸素供給を増加させます。これにより胸痛や息切れなどの症状を和らげ、心臓発作のリスク低下にも貢献します。
MIUアムリプは服用後6~8時間をかけて徐々に効果が現れ、24時間持続します。この長時間作用により、1日1回の服用で十分な治療効果が得られるのです。
アムリプの服用方法・使用方法
| 1回の用量 | 高血圧症:アムロジピンとして2.5~5mg(効果不十分な場合10mgまで) 狭心症:アムロジピンとして5mg |
|---|---|
| 1日の服用回数 | 1回 |
| 服用間隔 | 24時間 |
| 服用するタイミング | 特に指定なし |
| 食事の影響 | 食事の影響は受けにくいとされていますが、医師の指示に従ってください |
| 注意点 | グレープフルーツ(果肉・果汁)との同時摂取は避けてください |
高血圧症の場合、アムロジピンとして1日2.5〜5mgから開始し、効果不十分時は10mgまで増量可能です。狭心症では1日5mgが基本用量となります。用量調整は医師の判断で行われるため、自己判断での変更は避けてください。
MIUアムリプの服用タイミングに特に指定はありませんが、毎日同じ時間帯に服用することで服薬習慣を身につけやすくなります。水またはぬるま湯と一緒に服用してください。
使用上の注意
- グレープフルーツ(果汁含む)は薬効を強めるため摂取を控える
- めまいやふらつきが起こる可能性があるため、車の運転や高所作業時は注意
- 急な服用中止は血圧の急上昇を招く恐れがあるため、必ず医師に相談
- 妊娠の可能性がある女性は事前に医師に相談
- 他の降圧薬との併用時は血圧の過度な低下に注意
アムリプの警告・禁忌・副作用
警告
重篤な低血圧症状が現れた場合は、直ちに医師の診察を受けてください。
禁忌
- アムロジピンに対して過敏症の既往歴がある方
- 妊婦または妊娠している可能性のある女性 ・重篤な低血圧症の方
副作用
軽度な副作用として、ほてり、頭痛、動悸、めまい、手足の浮腫、吐き気、倦怠感などが報告されています。これらの症状は用量調整により改善される場合が多いですが、持続する場合は医師に相談してください。
アムリプの他の薬との相互作用
併用しないこと
特に重大な併用禁忌薬はありませんが、以下の薬剤との併用時は注意が必要です。
併用に注意すること
- CYP3A4阻害薬(エリスロマイシン、ジルチアゼムなど)
- 降圧作用を有する薬剤
- シンバスタチン
- タクロリムス
CYP3A4阻害薬との併用により、アムロジピンの血中濃度が上昇し、副作用が強く現れる可能性があります。他の降圧薬との併用時は血圧の過度な低下に注意し、定期的な血圧測定が必要です。これらの薬剤との併用では、相加的な降圧効果により低血圧症状が現れることがあります。
必ず医師に相談の上でアムリプの使用を検討してください。
アムリプの注意事項
- 定期的な血圧測定を行い、治療効果を確認する
- 肝機能障害がある方は用量調整が必要な場合がある
- 高齢者(65歳以上)は副作用が現れやすいため慎重に使用
- 腎機能障害がある方は医師による経過観察が必要
- 薬の効果や副作用について記録をつけ、医師との診察時に報告
- 服薬を忘れた場合でも、2回分を一度に服用しない
MIUアムリプの保管は直射日光や高温多湿を避け、子供の手の届かない場所で行ってください。錠剤を分割した場合は湿気を避けて早めに使用することが大切です。
アムリプの価格について
アムリプは先発薬ノルバスクと比較して大幅な薬価削減が実現されています。ジェネリック医薬品として、先発薬の約30〜50%程度の価格で購入可能であり、長期間の継続治療において経済的負担を大幅に軽減できます。
年間を通じた治療費を考慮すると、数万円レベルでの医療費削減効果が期待できるため、家計への負担軽減に大きく貢献します。
アムリプの保管方法・取り扱い上の注意
- 室温(1~30℃)で保管してください
- 直射日光や高温多湿を避け、涼しい場所に保管する
- 小児の手の届かない場所に保管する
- 他の容器への移し替えは避ける(誤用の原因となるため)
- 使用期限を過ぎた薬剤は使用せず、適切に廃棄する
- 錠剤が変色・変形している場合は使用を中止し、薬剤師に相談する
- 湿気を避けるため、開封後はしっかりと蓋を閉める
医師・薬剤師への相談が必要な場合
以下のような場合は、すぐに医師または薬剤師に相談してください。
- 服用後に異常な症状(激しいめまい、失神、呼吸困難など)が現れた場合
- 既存の副作用が悪化した場合
- 他の薬剤を新たに服用する場合
- 妊娠が判明した場合、または妊娠を計画している場合
- 手術や歯科治療を受ける予定がある場合
- 長期間服用を続けても血圧が改善されない場合
- 服用を中止したい場合(急な中止は危険です)
- 薬剤に関して不明な点や心配な点がある場合
アムリプのよくある質問
アムリプとはどのようなお薬ですか?
アムリプは、先発薬「ノルバスク」と同一の主成分アムロジピンを配合したジェネリック医薬品です。製造元はインドの医薬品企業Cipla(シプラ)社で、先発薬と変わらない治療効果を持ちながら、高血圧および狭心症の改善に広く使用されています。
アムリプはどのような症状に適用されますか?
アムリプの主な適応症は「高血圧症」および「狭心症」です。血圧値を正常範囲内に維持することにより、心血管系への負荷を軽減し、動脈硬化進行や心不全発症といった重篤な合併症の予防に寄与します。
さらに、冠動脈における血液循環を向上させる機能により、狭心症による胸部症状の軽減効果も認められています。
アムリプの用量バリエーションについて教えてください。
「2.5mg製剤」「5mg製剤」「10mg製剤」が利用可能で、2.5mg製剤は治療開始時や細かな用量設定に適し、5mg製剤は一般的な維持量として、10mg製剤は通常量で十分な効果が得られない患者様に使用されます。
ノルバスクからアムリプへの変更時に治療効果に差はありますか?
アムリプはノルバスクの後発品として、生物学的等価性試験により同等性が立証されているため、治療効果に違いはございません。同一の有効成分と含有量を有しているため、医療専門家の管理下であれば安全に薬剤変更が可能です。
ノルバスクで実証された臨床効果と同水準の治療成績をアムリプでも期待することができます。
アムリプの降圧メカニズムはどのようなものですか?
アムリプの主成分アムロジピンは、血管壁の平滑筋細胞におけるカルシウムイオンの取り込みを阻害する機序で作用します。
カルシウムイオンは血管収縮を引き起こし血圧上昇の要因となりますが、アムロジピンがカルシウムチャネルを遮断することで血管の異常収縮が抑制され、結果として血圧低下が実現されます。
アムリプの薬効発現時間と持続期間はどの程度ですか?
アムリプ服用後の降圧効果は段階的に発現し、一般的に服用から6〜8時間後に最大効果を示します。アムロジピンは体内で緩徐に作用する特性があるため、その効果は約24時間継続します。この長時間作用により、1日1回の投与で持続的な血圧管理が実現できます。
アムリプの正しい服用方法を教えてください。
アムリプは1日1回、十分な水分と共に経口投与してください。高血圧治療では通常、アムロジピン換算で1日1回2.5~5mgより開始し、治療反応が不十分な際は10mgまでの増量が検討されます。
狭心症治療においては、一般的にアムロジピン換算で1日1回5mgが投与されます。投与量は個々の病状や治療反応に応じて決定されるため、処方された用法・用量の厳守が重要です。
服薬を忘れてしまった際の対応方法を教えてください。
服薬を思い出した時点で速やかに服用してください。ただし、次回の服薬予定時刻が迫っている場合は、忘れた分は服用せず次回から通常通り継続してください。絶対に2回分をまとめて服用してはいけません。
アムリプ服用中に避けるべき食品はありますか?
グレープフルーツ及びその加工品(果汁、ジャム等)の摂取は控えてください。グレープフルーツ由来の特定成分がアムリプの薬効を過度に増強させる恐れがあります。治療期間中はグレープフルーツ関連食品の摂取を避けることをお勧めします。
アムリプ使用時に現れる可能性のある副作用について
アムリプ使用時の主要な副作用には、顔面紅潮、頭部痛、心悸亢進、眩暈、四肢浮腫、悪心、全身倦怠感、歩行時ふらつき、皮膚発疹等があります。これらの症状は他のカルシウム拮抗薬と比較して発現頻度は低いとされています。
多くは用量調節や服薬中止により改善しますが、皮膚反応等のアレルギー症状が認められた場合は即座に服用を停止してください。
足のむくみが気になる場合の対処について
四肢浮腫はアムロジピン系薬剤でよく見られる副作用の一つです。軽微な症状であれば経過を見ながら様子をみることも可能ですが、日常活動に影響する程度であれば医療従事者と相談し、用量変更や代替薬への切り替えを検討していただくことが適切です。
アムリプの使用が適さない方、または慎重投与が必要な方について教えてください。
アムロジピンに対するアレルギー反応の既往がある方、妊娠中の女性には使用できません(禁忌事項)。
さらに、著明な低血圧状態の方、肝機能異常のある方、重度の腎機能低下患者、高齢者(65歳以上)、併用薬剤(他の降圧薬、CYP3A4に関連する薬剤、シンバスタチン、タクロリムス等)を使用中の方は、使用前に必ず医師との相談が必要です(慎重投与)。
アムリプの適切な保存方法について教えてください。
薬剤の品質維持のため、光線、高温、湿気を避け、日光の直射を受けない場所での保管が必要です。自動車内など日中高温となる環境での長期保管は避け、小児の手の届かない安全な場所に保管してください。期限切れの薬剤は使用を避け、適正に処分してください。
錠剤を分割使用した場合は、品質劣化の可能性があるため速やかに使用することが推奨されます。
アムリプの口コミ・効果・感想(レビュー)
当サイトが独自に取材したアムリプの口コミ・効果・感想(レビュー)もございますので、あわせてご覧ください。

アムリプに関連する添付文書等の参考資料
- 患者向医薬品ガイド アムロジピン錠 – PMDA(PDF)
- 医療用医薬品 添付文書等情報検索 – PMDA
- アムロジピン錠2.5㎎/5㎎「TCK」 – JAPIC(PDF)
- NORVASC® (amlodipine besylate) tablets label – FDA(PDF)
- Amlodipine 5mg tablets – EMC
- 令和5年 国民健康・栄養調査結果の概要 – 厚生労働省(PDF)
※本ページでは日本語の公的資料(JAPIC/PMDA等)や、英語の公的資料(EMA/FDA等)を記載しています。いずれも基本的に各国規制当局等が発行する一次ソースですが、国・地域ごとに適応症・警告・禁忌・推奨用量などが異なるため、内容をよく比較のうえご判断ください。
※服用前には必ず輸入品に記載されている英文の説明も確認し、不明点は医師・薬剤師にご相談ください。