連日の猛暑が少し和らいできて、いよいよ秋の訪れを感じてきました。
秋といえば「食欲の秋」です!
特に、秋刀魚やかぼちゃ、柿や松茸といった秋の味覚は、味が濃厚で香りが高く、旬のうちにたくさん食べたくなります。
しかし、食欲の食欲の秋にこそ気になるのが体重増加でしょう。
体重増加を気にせず秋の食材を味方にダイエットを楽しみたいという方に向けて、今回は、9月17日(水)21時から放送の『ホンマでっか!?TV』で放送されていた秋の味覚を楽しみながら賢く肥満を予防する方法についてご紹介します。
「秋の味覚を楽しみながら賢く肥満を予防する方法」の要点は以下の通りです。
- ビタミンCが加熱に強く、美容・健康に有効
- 皮ごと食べたり15℃保存でポリフェノール増加
- 調理法でGI値が変わり、蒸し芋・ふかし芋が最もダイエット向き
- 食物繊維が豊富で食欲ホルモン「グレリン」を抑制
- 渋皮のポリフェノールが老化・生活習慣病予防に役立つ
- モンブランなどの加工品ではなく甘栗で食べるのが最適
- ビタミンDがインスリン感受性を高め脂肪蓄積を抑制
- 日光に30分〜1時間当てるとビタミンD量が約3倍に増加
- さつまいも・栗と組み合わせることで、食べながら肥満予防が可能
本記事では、『ホンマでっか!?TV』を視聴した、以下の専門家による番組視聴レポートをお届けします。

歯科衛生士資格を有し、歯科衛生士として歯科医院で従事。その後、エステティシャンとして独立、美容サロンを経営しております。
また、本記事の内容については、医学的記述や表現に不自然な点がないか、医学誌の編集経験がある看護師が確認済みです。



看護師資格を有し、総合病院で勤務。退職後、出版社に勤務し、医学誌の編集も担当しておりました。
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ダイエット中もOK!罪悪感なしで美味しい!秋の味覚
9月17日(水)21時から放送の『ホンマでっか!?TV』は、「科学的に健康効果が認められた!?秋グルメSP」では、「さつまいも」「栗」「きのこ」がダイエット中でも罪悪感なく食べられる秋の味覚として紹介されていました。
「さつまいもや栗は太るから、ダイエット中は我慢しなきゃ…」
「栗も甘味があるから太る…?」
そう思っている方も多いのではないでしょうか?
さつまいも栗も炭水化物が多く、食べすぎれば体重増加の原因になります。
ですが、大切なのは、「食べないこと」ではなく、「賢く食べること」なんです。
番組内では秋の味覚がなぜ肥満予防にいいのか、成分から賢い食べ方まで紹介されていました。
ほんとは太りにくい!さつまいもに含まれる大切な成分と賢い食べ方
今回番組でさつまいもに関して多く話してくれていたのはさつまいもの研究に30年!九州大学農学博士の吉元先生。
先生いわく、
「さつまいもは準完全栄養食と呼ばれ、NASAも宇宙食として注目している」
「人間は米だけ食べて生きることはできないけど、さつまいもだけでは一生生きていける」
とのこと!実際に世界には栄養のほとんどをさつまいものみで補っている人々もいるのだとか。
今でも十分魅力的なさつまいもですが、さらに優秀なところがあると言います。
1.さつまいものビタミンCは熱に強い!
あらゆる野菜・果物に豊富に含まれる、ビタミンC。
しかし、加熱するとビタミンCの活性がなくなり、体内で働けなくなってしまいます。
ところが、さつまいものビタミンCはデンプンに守られているので加熱しても分解されにくいのです!
温かい食品でも効率的にビタミンCが摂取できますね!



ビタミンCは水溶性ビタミンと言われており、加熱だけでなく洗ったり茹でたりしてもビタミンCが失われます。
しかし、さつまいもはでんぷんが茹でた時でもビタミンCを流出させないように守ってくれるため、結果的に分解されずに摂れます。
参考:
ビタミンCの働きと1日の摂取量 – 健康長寿ネット|公益財団法人 長寿科学振興財団
2.長期保存と皮ごと食べてポリフェノール倍増!
さつまいもの紫色の主成分はポリフェノール。
このポリフェノールには、老化予防や美肌効果など美容にも健康にもありがたい成分です。
さつまいもの中のポリフェノールのうち、約80%は皮から5mmまでに含まれています。ですから皮ごと食べるのがベストなんです!
また、さつまいもを15℃で1ヶ月の長期保存するとポリフェノールが増えるとのこと!
吉元先生いわく、
「熱帯の作物であるさつまいもは冷気が苦手。ですからさつまいもにとって少し厳しい環境である15℃の環境に置くことでポリフェノールが増えると同時に甘くなる」
「しかし、温度選定には注意が必要で、5℃以下で保存してしまうと黒く変色し腐りやすくなってしまう」
のだそうです。
冷蔵庫の野菜室はまさにこの温度なので、さつまいもは冷暗所に保存するのがベストというわけなのです!
3.さつまいもは焼き芋より揚げたほうが太りにくい!
さつまいもは、もともと穀物の中でもGI値が低い食品です。
GI値とは1つの食品に対して食後の血糖値の上がりやすさを示す指標です。
GI値が高い食品は血糖値を急上昇させ脂肪をため込みやすくします。一方でGI値が低い食品はゆるやかに血糖値が上昇していくため腹持ちが良く、ダイエットに効果的とされています。
例えば、ジャガイモはGI値90に対して、さつまいもはGI値55です。
しかし、調理方法によってこのGI値が大きく変わってしまいます。
調理方法 | GI値 | 特徴・ポイント |
---|---|---|
焼き芋 | 85 | デンプンが麦芽糖に変わることで糖がどんどん吸収される |
素揚げ・干し芋 | 55 | 十分ダイエット向き |
蒸し芋・ふかし芋 | 40 | さらにダイエットにはベストの調理法! |
先生いわく、
「多くの方が素揚げは油を使うからダイエットに向いていないと思う傾向にあるのですが実は、焼き芋の方が加熱で糖質が変化し、甘みが増して血糖値が上がりやすくなり、太りやすくなる」
とのことです。
揚げることで糖の吸収が遅くなり、満腹感が持続しやすいため、焼き芋よりも素揚げ、素揚げよりも蒸かしいもを試してみて下さい。
さつまいもは賢く食べれば腹持ちも良く、美容にも良いので積極的に食べていきたいですね!
満腹感UPで食べすぎ防止!栗で賢く肥満予防
栗も甘くて美味しいので、ついつい食べすぎてしまいそうになります。加齢医学の岡本宗史先生によると、
「栗の1番の魅力はなんといっても肥満予防になるところ」
だそうです。
食物繊維がとても多く、さつまいもの約2倍もある栗。
栗を食べると、食欲を増すホルモンの“グレリン”の分泌が抑えられ、食欲を落ち着かせる効果が期待できます。



グレリンは胃から分泌されるホルモンで、食欲増進だけでなく脂肪をため込む作用もあります。
空腹感を感じるのはグレリンが脳を刺激するためと言われています。
参考:
胃から発見された摂食亢進ペプチド:グレリン – 第124回日本医学会シンポジウム|日本医学会
さらに、栗に含まれるポリフェノールや食物繊維が脂肪の吸収を抑えるため、ダイエットに効果的というわけなのです。
もちろん、モンブランのようなスイーツではなく、甘栗のような食べ方がベストです。
なぜかというと、渋皮も一緒に摂れるからです。
栗の渋皮に含まれるポリフェノールの一種のタンニンは、老化や生活習慣病の予防効果が期待できます。
そのため、岡本先生も間食には甘いお菓子ではなく甘栗の活用を提唱されていました。ちなみに、「熊本産利平栗」や「丹波栗」は高品質で人気があるそうなので、栗好きの方は是非お試しくださいね!
栗の恩恵を受けるためにとモンブランなど栗のお菓子にすると加工の過程で砂糖などを使っていて、ダイエットに影響を及ぼすため、おすすめできません。
きのこはダイエットの名脇役!?
秋の味覚の代表格ともいえるきのこは実はダイエットの名脇役ともいえる存在です。
きのこにはビタミンDが豊富に含まれています。ビタミンDはインスリンの感受性を向上する効果が期待できるため、ダイエットを効果的にサポートしてくれます。
そんなきのこは、きのこ評論家・大内謙二氏によると、日光に30分〜1時間ほど当てるだけで、ビタミンD量が約3倍に増えるとされています。
たっぷりのビタミンDを補給してダイエットをサポートしてもらいましょう!



きのこは抗酸化作用のある物質が含まれているため、認知症を予防する効果も期待できます。
参考:
キノコの摂取と認知症の発症リスク|PubMed CLOUD
まとめ
「太る」というイメージが強かったさつまいもと栗が、実はこんなにも素晴らしいパワーを秘めているなんて、まさに「ホンマでっか!?」です。
サポート役のきのこも食卓に加えれば、おいしく食べつつダイエットの効果も期待できます。
ただし、どんなに体に良いといわれているものでも、食べすぎは禁物です。
適切な量を意識しつつ、ほかの栄養も満遍なく取り入れてバランスの取れた食事を心がけましょう。
今年の秋は、さつまいも、栗、きのこといった秋の味覚の力を借りて、健康的で太りにくい体を目指しませんか?
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