バナナは昔からよくダイエットに良いと聞きますがそれって本当?と気になっていた方もいるかもしれません。
今回は、2025年8月27日放送の『巷のウワサ大検証!実際どうなの会』から【食前にバナナを食べると太りにくくなる?】についてまとめていきます。
お笑い芸人のチャンカワイさんが3日間、食前にバナナ、そしてハイカロリー料理を食べまくり検証していきます!
消化器内科医の工藤 あき 先生は番組内で、
「バナナには食物繊維が豊富に含まれているので、食後の血糖値の上昇を抑えてくれる効果がある。
さらにレジスタントスターチが含まれている。
食物繊維に似たような働きをする成分が入っていて、この効果も期待できる。」
と述べられています。
また、TFCメディカルクリニックの加賀 康宏 先生は、
「バナナはカリウムが豊富な果物としても有名ですね。
そのカリウムが体のむくみを解消してくれる効果、塩分を排出する効果を期待できます。」
と述べられています。
ということは、バナナを食前に食べさえすれば、どれだけ塩分が多めでハイカロリーな食事をお腹いっぱいたらふく食べても太らない?
工藤 あき 先生
「どれだけハイカロリーな食事とどこまで戦えるかですね。」
このような研究結果は、まだないそうなので、番組内で検証していきました。
検証結果だけでなく、バナナの栄養素についてもまとめていますので、ぜひご覧ください。
この記事の要点は以下の通りです。
- 食物繊維やレジスタントスターチが血糖値の急上昇を抑え、便通改善や脂質代謝のサポートに役立つ
- カリウムが豊富で、むくみや塩分排出に効果的
- ビタミンB群、フラクトオリゴ糖、GABAなど多様な栄養が含まれ、エネルギー補給や疲労回復にも貢献
- 3日間、朝食・昼食の食事前にバナナ1本(約100g・各20kcal)ずつ摂取し、ハイカロリーな食事と併用して体重の変化を確認
- 熟しすぎていない、青みのあるバナナを使用することでレジスタントスターチの効果を最大化
- 検証の結果、3日後には体重が−1.1kg減少し、バナナの食物繊維効果で便通も良好
- バナナを食前に摂取すると満腹感を得やすく、食べ過ぎ防止やダイエットのサポートになる
- 「バナナを食べていれば何を食べてもOK」ではなく、バランスの取れた食生活を心がける必要がある
- 腎臓が悪い人は高カリウム血症のリスクがあるため、医師への相談が推奨
本記事では、2025年8月27日放送の『巷のウワサ大検証!実際どうなの会』を実際に視聴した看護師が番組視聴レポートをお届けします。

看護師資格を有し、HCU、呼吸器内科·外科、整形外科などの多様な現場で経験を積んでまいりました。その中でも緩和ケアに携わってきた経験を強みとしています。
また、本記事の内容については、医学的記述や表現に不自然な点がないか、医学誌の編集経験がある看護師が確認済みです。



看護師資格を有し、総合病院で勤務。退職後、出版社に勤務し、医学誌の編集も担当しておりました。
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バナナの栄養素とその効果
バナナといえば、食物繊維、フラクトオリゴ糖が豊富に含まれているためダイエットや腸活している人が活用していると言われる食材です。
バナナにはたくさんの栄養が含まれていますが、一部ご紹介します。
栄養素
フラクトオリゴ糖 | 腸内環境の改善に役立つ |
---|---|
食物繊維 | 便通を整える働き、血糖値の急上昇の抑制 |
レジスタントスターチ | 血糖値の急上昇の抑制、脂質代謝の改善 |
ビタミンB1 | 疲労感や倦怠感の軽減 |
ビタミンB2 | 脂質の代謝をサポート、成長を促す |
ナイアシン | エネルギー代謝のサポート |
ビタミンB6 | 免疫機能の維持、神経の働きのサポート |
カリウム | ナトリウムの排出 |
葉酸 | 貧血防止 |
GABA | 血圧を下げる効果 |
トリプトファン | 幸せホルモン生成のサポート |



レジスタントスターチは脂肪蓄積抑制作用があることも研究で分かっています。
また、満腹中枢を刺激するため、食事量も減少し、ダイエットにも効果的な成分であると考えられており、現在もレジスタントスターチに関する研究がすすめられています。
参考:
レジスタントスターチと脂肪燃焼作用|レジスタントスターチ研究室
効果
便秘改善
フラクトオリゴ糖が、腸内にすむ善玉菌のエサとなり、腸内フローラを改善します。
また、食物繊維には、水溶性と不溶性があります。水溶性食物繊維は便を柔らかくし、水に溶けない不溶性食物繊維が便のかさを増して排便を促すため、便通を整えます。



フラクトオリゴ糖は、難消化性オリゴ糖の一種でバナナ以外にもごぼうや玉ねぎに含まれます。
難消化性の糖質のため、一度に多量に摂取すると一時的な下痢が誘発される可能性があります。
ただし、フラクトオリゴ糖の1日の摂取目安量は3gでこれはバナナ10本程度になります。
そのため、通常の食生活で摂りすぎになる可能性は低いです。
参考:
・フラクトオリゴ糖|公益社団法人 腸内細菌学会
・フラクトオリゴ糖 8つの機能性 – メイオリゴ|株式会社 明治フードマテリア
むくみ予防
カリウムがナトリウムの排泄を促進し、むくみ予防になります。
また、腎臓が悪い方は、高カリウム血症となりやすいため、かかりつけ医に確認してからバナナを食べましょう。
エネルギー補給、疲労回復
バナナには、ブドウ糖、果糖、でんぷんなどさまざまな種類の糖が含まれています。集中する作業の後や運動後の疲労回復には、糖の補給がとても重要になってきます。
バナナは効率的なエネルギー補給ができ、運動後の疲労回復にも効果抜群です。
バナナで太る?太らない? 徹底検証!
それでは、本題の検証内容を見ていきましょう。
検証方法
- 3日間実施
- 朝食、昼食前にバナナ1本(約100g、約20kcal)ずつ摂取
※バナナは1日2本で効果があるということで、3食のうち2食の食前にバナナを食べてもらいます。 - 根元や先端部分が青みがかってるものを食べる
- 食事は、平均カロリー以上を摂取
厚生労働省によれば、果物の摂取目安は1日200gとなっているため、今回は朝・昼の食前にバナナを1本ずつ食べました。



日本人成人男性の1日に摂取を推奨されるカロリー量は2,400~3,000Kcalです。
日々の活動量によっても摂取推奨カロリーは変わってきます。
今回は検証のためあえて高カロリーな食事で検証していますが、健康のためにも自身に合った量のカロリー摂取を心がけましょう。
参考:
早わかり!食事バランスガイド – 実践食育ナビ|農林水産省
なお、1日の基礎代謝量や活動消費エネルギー、維持カロリーの目安や平均も簡単に調べることができる無料ツール「基礎代謝量 計算(BMR 計算)ツール【平均とも比較】」を公開しておりますので、ぜひご利用ください。


また、重要なポイントとしては、根元部分が青みがかっているものを選択することです!
バナナに含まれるレジスタントスターチは熟せば熟すほど糖分へと変化してしまいます。
熟しきっていない、根元や先端が青いバナナの方がより多くのレジスタントスターチが含まれており、より効果が期待できるそうです。
さて、検証前の体重測定では、体重 92.4kgでした。
ここからどのくらい体重を減らせるのでしょうか。
1日目
体重:92.4kg
朝食 | かつ丼 | 約 1,400 kcal |
---|---|---|
昼食 | 塩ラーメン | 約 1,200 kcal |
夕食 | チキン南蛮 | 約 1,500 kcal |
摂取カロリー:約 4,100 kcal + 40 kcal(バナナ分)
今回は、バナナがどれだけハイカロリーな食事をどこまで抑えられるのかが見どころです。



世の中のバナナには、なんと300種類以上の品種が存在します!
日本で売られているのは、生食用で果肉が柔らかくて甘くそのまま食べられるものです。
一方料理用は、皮が緑色な物が多く、甘味が少なくて果肉が硬いため、炒めて砂糖をまぶしたり、揚げてバナナチップスにすることが多いです。
2日目
体重 91.9kg(−0.5kg)
朝食 | 餡掛けチャーハン | 約 1,200 kcal |
---|---|---|
昼食 | カルボナーラ | 約 1,600 kcal |
夕食 | 豚の角煮 | 約 1,700 kcal |
摂取カロリー:約 4,600 kcal(お代わり 100g 含む)+40 kcal(バナナ分)
3日目
体重 92.4kg(+0.5kg)
朝食 | カツカレー | 約 1,300 kcal |
---|---|---|
昼食 | 味噌煮込みうどん | 約 1,300 kcal |
夕食 | ミックスグリルプレート | 約 1,800 kcal |
摂取カロリー:約 4,400 kcal + 40 kcal(バナナ分)
3日間全ての食事が終了しました。
全て残さず食べきりました。
総重量は約 7.3 kg 約 13,000 kcalを摂取しています!
検証結果
検証後、
体重 91.3kg(−1.1kg)
結果…食前にバナナを食べると太りにくい‼
3日間、バナナで食物繊維を摂取しているためか、しっかりお通じもあったそうです。
この結果を聞き、工藤 あき 先生と加賀 康宏 先生は、
「たらふく食べてもいいよとは、万人には言えないかもしれないが、バナナの健康効果がハイカロリーな食事に打ち勝ったかもしれない」
と結果に驚いていました。
まとめ
食前にバナナを摂取することで、食物繊維やレジスタントスターチが血糖の急上昇を緩やかにし、満腹感を感じやすいので、自然と食べすぎ防止にも繋がることが番組内の調査で分かりました。
ただし、「バナナを食べていればどれだけ食べても大丈夫!」というわけではありません。
食事内容を工夫しながら活用することで、無理のないダイエットになります。
「ちょっと食べすぎちゃったかも…。」という時でもバナナを上手く取り入れれば、体に優しいサポートになるかもしれませんね。
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