ダイエットをする際、栄養バランスを考えながら様々な食材を取り入れて調理をする人が多いでしょう。しかし、イギリスの研究によると、未加工中心の食事を少しずつ取り入れるだけで、体重が徐々に減少するという結果が出ました。
まずは、ダイエットのための手の込んだ料理は止めて、食材そのままを活かした食事を生活に取り入れませんか。
- Dicken SJ, et al. Ultraprocessed or minimally processed diets following healthy dietary guidelines on weight and cardiometabolic health: a randomized crossover trial. Nature Medicine. 2025.
(8週間×2、55人、+1.01%の差) - PubMed(試験登録・要旨)
(試験デザインと主要評価の説明) - UCL News. Less processed diet may be more beneficial for weight loss. 2025-08-04
(一般向け解説) - Science Media Centre. Expert reaction to randomized crossover trial of ultra- vs minimally-processed foods that follow healthy diet guidelines. 2025-08-04
(専門家によるコメント)
本研究の要点は以下の通りです。
- 未加工中心(MPF)の食事は、超加工中心(UPF)より体重減が+1.01%大きかった
- どちらの食事でも体重は減少。ただしMPFのほうが有利
- どちらも英国の食事ガイド(Eatwell Guide)に沿っていた
- 朝はヨーグルト+果物+オート麦など素材そのままにする
- パン+卵+野菜の簡単セットを固定化する
- 飲み物は甘味入りより水・お茶・無糖コーヒーにする
- 効果は数%の差で魔法ではない
- 体調や好みに合わせて無理のない範囲で
- 加工品を全部やめる必要はない。比率を変えるだけ
なお、本記事の内容については、表現に不自然な点がないか、医学雑誌の編集にも携わっていた編集の専門家が確認済みです。

編集プロダクションでの勤務経験があり、医療系出版社の月刊誌にて校正、校閲業務実績がございます。
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研究の概要
研究チームは55人の成人を集め「栄養バランスが同じでも、加工の度合いで体重の増減がどう変わるか」を確かめました。対象者は日常に近い環境下で、8週間ずつ食事を入れ替えた体重の変化を比べられています。
いつ | 2025年発表。8週間×2期の無作為化クロスオーバー試験 |
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誰が | UCLを中心とする英国チーム。Nature Medicine掲載 |
対象 | 55人の成人(普段はUPFが多め) |
何をしたか | 英国Eatwell Guideに沿うよう設計した未加工中心(MPF)食と超加工中心(UPF)食を8週間ずつ実施。順番は人ごとに無作為 |
何を測ったか | 体重の変化が主要評価。ほかに血液指標や食欲関連も測定 |
結果 | MPFで−2.06%、UPFで−1.05%の体重減。差は+1.01%でMPFが有利。どちらの食事もガイド準拠かつ 自由摂取で実施された |
まずは朝食から変える
まずは、一日の始まりである朝食をMPF寄りにしましょう。簡単に実践できる例を三つ挙げます。
- プレーンヨーグルト+冷凍ベリー+オート麦。甘さは果物で足す
- 全粒パン+ゆで卵+トマト。オリーブ油をひと回し
- みそ汁+ごはん+納豆。のりか野菜を一品
どの食事も短時間で準備できる上に、手間がかからないです。そして、毎朝の小さな積み重ねが、体重を減らす数%の差を生み出します。
外食やコンビニで食事を選ぶコツ
完璧を狙うほど続きません。
外食やコンビニで食事をする際は、具だくさんのサラダ+ゆで卵、おにぎり+豆腐、チキン+温野菜など、使われている素材が一目でわかるような商品を選びましょう。菓子パンやスナックは回数を減らすだけでも十分な一歩です。
加工度合いの見分け方
パッケージの原材料欄が短くてシンプルならMPF寄りのことが多いです。香料・甘味料・乳化剤などがずらりと並ぶほどUPF寄りと考えやすいです。
悩んだら「家で似た味を作れるか」を判断基準にします。
未加工中心食への切り替えに関するよくある質問
まとめ
同じガイドに沿った食事でも、未加工中心は超加工中心よりも体重の下がり方が少し大きい結果でした。一日の始まりの朝食だけでもMPF寄りにして、無理なく続けてください。
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