糖尿病患者は予備軍を含めて5人に1人の割合と言われ、年々増加傾向です。糖尿病に悩む方が多い中、糖尿病の改善方法を取り上げたTV番組が「ためしてガッテン」です。
この記事では「ためしてガッテン」で紹介された糖尿病の改善方法の内容と効果的な治療・対処法を解説します。
糖尿病は自力では完治できませんが、適切な治療と生活習慣の改善により血糖値を安定させられます。食事・運動・薬物療法と組み合わせて糖尿病の症状改善が期待できます。
なお、本記事の内容については、医学的記述や表現に不自然な点がないか、医学誌の編集経験がある看護師が確認済みです。

看護師資格を有し、総合病院で勤務。退職後、出版社に勤務し、医学誌の編集も担当しておりました。
糖尿病とは血糖値が慢性的に高い状態が続く病気


糖尿病は血糖値が慢性的に高い状態が続く病気です。健康的に毎日を過ごすために知っておくべきことを解説します。
- インスリンが正常に働かずに血糖コントロールができなくなる
- 糖尿病は3つに分類される(1型・2型・妊娠糖尿病)
- 食生活・運動不足・遺伝などが糖尿病の主な原因
- 糖尿病を放置すると臓器障害や体調不良を誘発する
糖尿病は中高年だけでなく10~30代でも発症する可能性があるため、若い世代も注意が必要です。
インスリンが正常に働かずに血糖コントロールができなくなる
健康な方であれば食事で血糖値が上がっても約2時間で正常値に戻りますが、糖尿病の方は血糖値が下がらない状態が続きます。糖尿病で血糖コントロールができなくなる理由は、血糖値を下げるホルモンであるインスリン(※1)がうまく働かなくなるためです。
糖尿病になると食事で摂取した糖分を細胞に取り込めず、血液中の糖が過剰な状態になります。空腹時の血糖値が126mg/dL以上、または食後2時間の血糖値が200mg/dL以上の状態が慢性化すると糖尿病と診断されます。
血糖コントロールができない状態が続くと回復が難しくなる可能性があるため、早期の生活習慣改善や適切な治療が欠かせません。糖尿病は血糖値の急激な上昇と下降を繰り返すことで体に大きな負担をかけるため、動脈硬化の進行のリスクも高まります。
※1:インスリンとは、血糖値を下げるホルモンのことです。膵臓から分泌され、血液中の糖分を細胞に取り込ませる働きをします。
糖尿病は3つに分類される(1型・2型・妊娠糖尿病)


糖尿病は大きく1型・2型・妊娠糖尿病の3つに分けられ、発症の原因や治療方法が異なります。1型・2型・妊娠糖尿病のタイプ別の起こる原因と特徴、なりやすい人について以下の表にまとめました。
糖尿病のタイプ | 糖尿病になる原因 | 特徴 | なりやすい人 |
---|---|---|---|
1型糖尿病 | 体の免疫システムが間違って膵臓の細胞を攻撃することで起こる | ・遺伝的な素因に環境要因(ウイルス感染など)が加わって発症する ・急に症状が現れる場合が多い ・血糖値を下げるホルモンであるインスリンがほとんど作られなくなってしまう | 主に子どもや若い人に発症しやすい |
2型糖尿病 | 遺伝的要因と生活習慣が組み合わさることで発症する | ・太りすぎや運動不足が大きく影響する ・症状がゆっくりと進むため気づきにくい ・体がインスリンに反応しにくくなると血糖値が上がる | 40歳以降の中高年に多く見られる |
妊娠糖尿病 | 胎盤によりインスリンの働きが抑えられることで発症する | 出産後は多くの場合改善されるものの、将来的に2型糖尿病になるリスクが高まる | 妊婦 |
糖尿病の分類を理解し、自身の糖尿病の種類が分かれば適切な治療により症状の改善が見込めます。
食生活・運動不足・遺伝などが糖尿病の主な原因
糖尿病の発症には日常生活の習慣や体質的な要因が大きく関わっています。現代では以下の要因が複雑に絡み合い、血糖値の上昇を招き糖尿病になりやすくなっています。
要因 | 詳細 |
---|---|
食生活の乱れ | 高カロリー・高糖質・高脂質な食事を頻繁にすると、血糖値が急上昇しやすくなる |
炭水化物や甘い物の過剰摂取 | 炭水化物や甘い物を過剰に摂取すると体内でのブドウ糖の処理が追いつかず、血糖コントロールが困難になる |
運動不足 | 運動量が少ないと筋肉でのブドウ糖消費量が減り、血糖値が上がりやすくなる |
基礎代謝の低下 | 基礎代謝の低下により、インスリンの働きが悪化して糖尿病になりやすい |
遺伝的な要因 | 家族に糖尿病患者がいる場合、発症リスクが約2倍高くなる |
特定の遺伝子変異 | 特定の遺伝子変異がインスリンの分泌能力や感受性に影響を与える |
肥満による内臓脂肪の蓄積 | インスリンの働きを悪くする悪玉物質が分泌され、筋肉や肝臓でブドウ糖がうまく利用されなくなり血糖値が下りにくくなる |
加齢による身体の変化 | 加齢により膵臓の機能が少しずつ低下し、インスリンを分泌する能力が落ちるため糖尿病のリスクが高まる |
慢性的なストレスや睡眠不足 | 過度なストレスを感じると、血糖値を上昇させるホルモンのコルチゾールが分泌され糖尿病に進行する可能性がある |
喫煙や過度の飲酒 | 喫煙は交感神経を刺激して血糖値を上げるだけでなく、インスリン自体の働きを直接的に妨げる |
食生活の乱れや運動不足、ストレスといった糖尿病になるリスクは日常生活に潜んでいます。
糖尿病を放置すると臓器障害や体調不良を誘発する


糖尿病を放置して高血糖の状態が続くと血管が傷ついて全身の血流が悪くなり、以下のような症状が出始めます。
- 手足のしびれや痛み
- 慢性的な疲労感や体のだるさ
- 免疫力の低下
- 傷の治りが遅くなる
- 血管が老化し動脈硬化のリスクが高まる
- 心臓への負担が増加し心筋梗塞や狭心症のリスクが高まる
- 脳血管障害による脳梗塞や認知機能低下の可能性がある
- 腎臓機能の低下で老廃物を排出する能力が衰える
- 視力低下や視野狭窄
- むくみ
上記の症状は初期段階では気づきにくく、自覚症状が現れた時にはすでに深刻な状態になっている場合があります。
失明・腎不全・足の切断など重篤な合併症を誘発する
糖尿病が進行すると体のさまざまな部分に深刻な合併症を引き起こす危険性があります。以下のような糖尿病の合併症は血糖値が高い状態が長期間続き、血管や神経が損傷を受けることにより発症します。
- 糖尿病性網膜症による視力低下、失明
- 糖尿病性腎症による腎機能低下、心血管障害合併
- 糖尿病性神経障害による感覚異常
- 動脈硬化による心筋梗塞や脳梗塞
- 免疫力低下による感染症の重症化
- 歯周病の悪化による歯の喪失
- 皮膚の潰瘍や壊死
- 認知症の発症リスク増加
- うつ病などの精神的な病気
- 性機能障害
上記の糖尿病の合併症は一度発症すると日常生活に大きな支障をきたします。
ためしてガッテンで糖尿病は治ると紹介された方法


ためしてガッテンでは血糖値をコントロールして糖尿病の改善を目指す方法が紹介されました。
- インスリン治療
- 野菜を取り入れた食事
- かかとの上げ下げ体操
- スクワット
- 睡眠の質の改善
インスリン治療
ためしてガッテンで紹介されたインスリン治療は疲れた膵臓を休ませて機能を回復させることを示唆したものです。血糖値を急速に正常化させることで、膵臓のインスリン分泌能力の改善を図ります。
インスリン治療が注目される理由は短期間で確実な効果を期待できるからです。食事制限だけでは改善しない重度の糖尿病にも効果を発揮します。
インスリン治療は治療開始から数日〜数週間で効果を実感できます。医師の管理下で行うため安全性が比較的高い点も特徴です。
膵臓の機能が回復してインスリン分泌が改善されれば、インスリン治療を中止できる可能性もあります。
野菜を取り入れた食事


野菜に含まれる食物繊維が血糖値の急上昇を抑制し、糖尿病の改善をサポートします。食物繊維は糖質の吸収を穏やかにし、血糖値の急激な上昇を防ぐ働きがあります。
糖尿病の改善に役立つと言われる野菜の種類は以下の通りです。
- 緑黄色野菜:ほうれん草、ブロッコリー、人参
- 根菜類:大根、キャベツ、白菜
- きのこ類:しいたけ、えのき、しめじ
- 海藻類:わかめ、昆布、ひじき
野菜ジュースは糖分が多いため生野菜や調理した野菜を優先して選ぶことがおすすめです。
かかとの上げ下げ体操
ためしてガッテンで紹介されたかかとの上げ下げ体操は、血糖値の改善に効果的な手軽な運動として注目されています。かかとの上げ下げ体操が注目される理由は血液中のブドウ糖が細胞の中に取り込まれやすくなり、血糖価の安定が期待できるからです。
かかとの上げ下げ体操は立ったまま足を肩幅に開き、つま先立ちになってかかとを上げ下げするだけの簡単な運動です。かかとの上げ下げ体操でふくらはぎの筋肉が鍛えられ基礎代謝も向上し、長期的な血糖コントロールに役立ちます。
ためしてガッテンで紹介されたかかとの上げ下げ体操をする際のポイントは以下の通りです。
- 1日30回を目安に行う
- かかとを上げる時は2~3秒キープし、ゆっくりと下ろす
- バランスを崩しやすい場合は、壁や椅子に手をついて安全に行う
食後30分以内に実施すると、かかとの上げ下げ体操の血糖値の急上昇を抑制する効果が高まります。
スクワット


スクワットで下半身の筋肉を鍛えられると、筋肉量の増加により血糖値の取り込みが促進されて糖代謝の改善が期待できます。ためしてガッテンで紹介されたスクワットの手順は以下の通りです。
- 足を肩幅より少し広く開き、つま先を膝と同じ方向に向ける
- 背筋を伸ばし、お尻を後ろに突き出すように10秒かけてゆっくりと腰を下ろす
- 太ももが床と平行になるまで下ろしたら、その姿勢を2秒間キープする
- 勢いをつけずにゆっくりともとの姿勢に戻る
スクワットは1日10回×3セットから始めて体力に合わせて徐々に回数を増やします。膝や腰に痛みがある場合は浅めのスクワットから始めると無理なく続けられます。
睡眠の質の改善
睡眠不足や睡眠の質が悪いとホルモンバランスの乱れを引き起こし、糖尿病の症状を悪化させる原因となります。良質な睡眠を確保するために押さえたいポイントは以下の通りです。
- 7~9時間は睡眠を取る
- 毎日同じ時間に寝起きする
- 寝る2~3時間前に食事を終える
- 就寝前のブルーライトをカットする
- 寝室の温度は夏場は26〜28℃、冬場は18〜20℃、湿度50~60%に調整する
- 夕方以降のカフェイン・アルコールを制限する
- ストレッチやリラックス法を取り入れ、心身をリラックスさせる
- 昼寝をする場合は15~20分以内に抑える
- 朝起きたら日光を浴びて体内時計をリセットする
良い睡眠習慣を心がけることは糖尿病とうまく付き合っていくための助けとなります。
糖尿病を自力で治す方法はない


ためしてガッテンでは「糖尿病を治す方法」が紹介されましたが、実際は自力での完治は困難です。糖尿病治療の真実について、以下の項目に分けて解説します。
- 血糖値を正常に保ち続けることが「寛解」の扱いとなる
- 再生医療や新薬の開発が将来の治療法として期待されている
血糖値を正常に保ち続けることが「寛解」の扱いとなる
糖尿病は現在の医学技術では完全に治せません。しかし、HbA1c値を目標範囲内に維持し続ければ糖尿病の寛解状態として扱われます。血糖値のコントロールを続ければ糖尿病の方でも健康な人に近い生活を送ることが可能です。
適切な食事管理と運動習慣を継続すると以下のような改善が期待できます。
- 血糖値の安定化
- 薬への依存度の軽減
- 合併症リスクの大幅な低下
しかし、糖尿病は一度改善しても油断すると再び悪化するリスクが高い生活習慣病です。糖尿病は完治ではなく「コントロール良好な状態の維持」を目指すことが現実的な治療の目標となります。
再生医療や新薬の開発が将来の治療法として期待されている
現在の医学では糖尿病の完全な治癒は困難ですが、将来的には根本的な治療が可能になる可能性があります。新しい治療技術の中でも特に注目されているのが体の組織を再生する技術です。iPS細胞という特殊な細胞を使ってインスリンを作る細胞を再生する研究が進んでいます。
糖尿病を完全に治す方法は確立していませんが、将来的には根本から糖尿病を治せる時代が来るかもしれません。
糖尿病を改善するために心がけるべき生活習慣5選


糖尿病は完全に治りませんが、以下のような良い生活習慣を心がけることで改善を目指せます。
- 食事・睡眠・運動のバランスを整える
- 禁酒する
- 飲酒を制限する
- ストレス管理する
- 支援団体や保健指導を活用する
食事・睡眠・運動のバランスを整える
糖尿病の改善には食事・睡眠・運動の3つの要素をバランスよく整えることが重要です。食事・睡眠・運動のバランスを整える方法は以下の通りです。
項目 | バランスを整える方法 |
---|---|
食事 | ・規則正しい時間に1日3食を摂取し、血糖値の急激な変動を防ぐ ・栄養バランスの良い食事メニューを組み、食べる順番も野菜→タンパク質→炭水化物の順にする |
睡眠 | ・毎日6〜8時間の質の良い睡眠を確保すれば、血糖値を安定させるホルモン分泌を促進できる ・就寝前2時間は食事を控えれば、睡眠中の血糖値上昇を抑制する効果も期待できる |
運動 | ・週3回以上の有酸素運動で糖の消費を促進し、筋力トレーニングで筋肉量を増加させる ・食後30分〜1時間以内の軽い運動をする(食後の血糖値の急上昇を防ぐため) |
食事・睡眠・運動、どれか1つだけでなく、バランスよく取り組むことが糖尿病改善への近道となります。
飲酒を制限する


お酒の量を制限すると糖尿病を改善するサポート効果が得られます。飲酒により食欲が増進し過食につながりやすくなる点も血糖値の乱れを招く要因の一つです。減酒を始める際のポイントは以下の通りです。
- 段階的な減酒から始める
- 糖分の少ないノンアルコール飲料や炭酸水で代替する
数週間から数ヶ月で血糖値の改善効果が期待できます。ノンアルコール飲料や炭酸水で代替すると比較的スムーズに減酒が実現し、糖尿病の改善が期待できます。
禁煙する
禁煙が糖尿病を改善する理由は、喫煙が血糖値の安定を妨げ合併症リスクを大幅に高めるためです。喫煙によって摂取されるニコチンは血管を収縮させて血流を悪くするだけでなく、インスリンの働きを妨げる作用もあります。
喫煙者の糖尿病合併症リスクは非喫煙者と比べて、以下のように高くなります。
- 心筋梗塞や脳梗塞のリスクが2〜3倍増加する
- 腎臓病の進行が早まる
- 神経障害が悪化しやすくなる
- 傷の治りが遅くなる
禁煙を開始すれば数週間という短期間で血流改善効果が現れ始め、長期的には血糖コントロールも改善されていきます。
ストレス管理する


慢性的なストレスは血糖値を上昇させる「コルチゾール」というホルモンの分泌を促進し、糖尿病の症状を悪化させます。糖尿病を改善するための効果的なストレス管理方法として以下の方法が挙げられます。
- 深呼吸や瞑想を1日10分程度実践する
- ウォーキングやヨガといった適度な運動をする
- 6〜8時間の十分な睡眠時間を確保する
- 趣味や好きな音楽でリフレッシュする
- 悩みを相談する
どうしてもストレスが解消されない場合は、心療内科やカウンセリングを受けることも糖尿病を改善するための方法の一つです。
支援団体や保健指導を活用する
専門家からのサポートを受けるとより効果的に糖尿病の改善に取り組めます。糖尿病の改善について相談できる場所と聞けるアドバイスの内容は以下の通りです。
- 地域の保健センター:無料糖尿病教室や栄養指導
- 糖尿病療養指導士による個別相談:生活改善プランの作成
- 管理栄養士による食事指導:自分に合った食事メニューの提案
- 自治体の特定保健指導:プログラムでの継続サポート
- 日本糖尿病協会:患者会での情報交換
- オンライン糖尿病教育プログラム:専門知識習得
- 職場の産業医や保健師:定期的な健康チェック
専門家に相談すれば効率的に糖尿病を改善するためのサポートを得られます。
血糖値が気になる方がオンラインで購入できる薬


糖尿病の治療では生活習慣の改善と薬の併用が重要です。血糖値が気になる方向けのオンラインで購入できる薬を3つ紹介します。
- フォシーガ
- メトホル
- グリコメット
フォシーガ
フォシーガは糖尿病治療に使われており、血糖値を下げるだけでなく体重減少効果も期待できる薬です。フォシーガはSGLT2阻害薬(※2)という種類に分類され、従来の糖尿病薬とは異なる仕組みで血糖値をコントロールします。フォシーガの主な特徴は以下の通りです。
- 1日1回の服用で効果が持続する
- インスリンに頼らない血糖降下作用がある
- 他の糖尿病薬との併用ができる
- 心血管疾患や腎機能の改善効果も報告されている
フォシーガの服用時の注意点として、頻尿やのどの渇き、尿路感染症などの副作用が現れる場合があります。フォシーガは脱水のリスクもあるため、服用する際には十分な水分補給を心がけることがおすすめです。
※2:SGLT2阻害薬とは、糖尿病の治療に使われる飲み薬のことです。腎臓で糖が再び体に吸収されるのを防ぎ、尿と一緒に糖を体の外に出すことで血糖値を下げる効果があります。
メトホル
メトホルはメトホルミン塩酸塩という成分を含む糖尿病治療薬で、2型糖尿病の治療において世界中で広く使用されています。メトホルは体重増加を抑える効果があるため、肥満を伴う糖尿病の方に適した薬です。1日2〜3回、食前または食後の服用がメトホルの一般的な服用方法です。
メトホルの効能はインスリンの分泌を無理に促すのではなく、体の自然な糖代謝を助ける作用があります。価格が比較的安く経済的な負担が少ない点もメトホルが多くの糖尿病に悩む方に選ばれる理由です。
しかし、メトホルの主な副作用として下痢や吐き気、腹痛などの消化器症状が現れる場合があります。腎機能に問題がある方の服用は制限されるため、体の状態を考慮したうえでメトホルを服用することがおすすめです。
グリコメット
グリコメットは2型糖尿病の治療に使用される血糖値改善薬です。メトホルミン塩酸塩を有効成分とするグリコメットは血糖値を効果的に下げる作用があり、糖尿病の症状改善をサポートします。グリコメットは1日2~3回、食直前または食後の服用が一般的です。
グリコメットは肝臓での糖の生産を抑え、筋肉での糖の取り込みを促進する特徴があります。体重が増加しにくい性質を持つため、肥満傾向にある糖尿病に悩む方に適している薬です。
しかし副作用として下痢や吐き気、腹痛といった消化器症状が起こる可能性があるため注意が必要です。
血糖値が気になる方がオンラインで購入できるサプリ


血糖値が気になる方向けのサプリは医薬品と異なり即効性はありませんが、血糖値のコントロールを補う手段の一つです。オンラインでも購入できるおすすめのサプリを3つ紹介します。
- アーユスリム
- メシャシュリンギ
- カレラ
食事制限や運動とサプリを組み合わせることでより効果的な血糖管理が期待できます。
アーユスリム
アーユスリムはインドの伝統医学アーユルヴェーダに基づいて開発された植物由来成分を主体とするダイエットサプリです。配合されているハーブ成分により、アーユスリムには以下のような効果が期待されています。
- 食欲抑制作用
- 体重減少のサポート
- 脂肪燃焼促進と代謝向上
- 健康的な糖代謝のサポート
- 食後の血糖値上昇の抑制をサポート
アーユスリムの服用方法は1日2回食後に2錠ずつと手軽で、継続しやすい点も魅力の一つです。アーユスリムは継続使用により徐々に効果を実感するサプリのため、健康的な体づくりには長期的な取り組みが必要です。
メシャシュリンギ
メシャシュリンギは血糖値のコントロールをサポートする天然由来のサプリメントです。食事で摂取した糖分が体内に吸収されるのを抑制する効果がメシャシュリンギにはあり、血糖値の急激な上昇を防ぐとされています。
メシャシュリンギはインスリンの分泌を促進する作用もあるため、食後の血糖値スパイク(※3)を緩和する可能性があります。メシャシュリンギは錠剤やカプセル、粉末などの形態で販売されており、食事の30分前に摂取するのが一般的な使用方法です。
しかし、メシャシュリンギの服用は副作用として低血糖や胃腸の不調が起こる可能性があるため、体調の変化には注意が必要です。
糖尿病治療薬を服用している場合は血糖値に影響を与える可能性があります。妊娠中や授乳中の女性は胎児や乳児に対するリスクがあるため、メシャシュリンギの服用を控えることがおすすめです。
※3 血糖値スパイクとは食事をした後に血糖値が急に上がって、短時間で急に下がることです。血糖値スパイクの状態が長く続くと、疲れやすくなったり、将来の病気の原因になったりします。
カレラ
カレラには血糖降下作用を持つ成分が含まれているため、血糖値が気になる方におすすめできるサプリです。カレラに含まれている血糖降下作用を持つ有効成分は以下の通りです。
- チャランチン
- ポリペプチド-P
上記の成分はインスリンと似た働きをすることで、血糖値の上昇を抑える効果が期待されています。カレラは錠剤やカプセルの形でサプリメントとして販売されており1日の摂取量は製品によって異なりますが、一般的に200〜500mg程度が適切です。
効果を実感するには継続的な摂取が重要で長期間の使用により血糖値の安定化が期待できます。ただし、低血糖や胃腸障害などの副作用が報告されているため、少量から服用を始めることがおすすめです。
血糖値の安定が期待できる食べ物・飲み物


血糖値の安定に効果的な食べ物や飲み物を日常に取り入れると、糖尿病の症状改善をサポートできます。血糖値の安定が期待できる食べ物・飲み物は以下の通りです。
- 納豆
- コーヒー
- 舞茸
- トマトジュース
上記の食べ物や飲み物に糖尿病を治す薬のような即効性はありません。しかし、食事療法の一環として毎日の食生活に組み込むと長期的な血糖値の安定化に役立ち健やかな生活を送る助けとなります。
納豆
納豆は血糖コントロールに役立つ成分が含まれている低GI食品です。納豆に含まれる、血糖コントロールに働きかける成分は以下の通りです。
- ナットウキナーゼ:血流を改善することで間接的に血糖コントロールに寄与
- 食物繊維:糖の吸収を遅らせることで、血糖値の急激な上昇を抑制
- 大豆イソフラボン:インスリン感受性の改善に寄与する可能性
- タンパク質:筋肉量維持に貢献し、基礎代謝の向上をサポート
血糖値を安定させるには1日1パック程度の納豆を摂取するのが良いとされています。納豆だけの食事では栄養バランスが偏るため、野菜たっぷりの味噌汁といったメニューと組み合わせることがおすすめです。納豆はビタミンKも豊富に含まれているため、糖尿病による骨密度低下の予防にも役立つとされています。
コーヒー


コーヒーに含まれるクロロゲン酸が食後の急激な血糖値の変動を緩やかにし、インスリンの感受性を改善して糖の代謝を促進します。コーヒーの抗酸化作用により血管の健康維持もサポートするため、糖尿病の合併症予防にも役立ちます。
コーヒーによる血糖値改善を実感するには、1日3~4杯程度のブラックコーヒーを飲むことが必要です。コーヒーを食前に摂取すると食後の血糖値上昇を穏やかにする効果が期待できます。
舞茸
舞茸は低カロリーかつ血糖値をコントロールする成分が豊富に含まれており、糖尿病の食事療法において有効な食材の一つです。舞茸に含まれるβ-グルカンという食物繊維が糖の吸収を緩やかにして、食後血糖値の急上昇を防ぎます。
舞茸特有の成分や豊富な食物繊維は、血糖値の上昇を穏やかにする効果が期待されています。血糖値をコントロールするには、1日50g程度の舞茸を継続して食べることがおすすめです。
トマトジュース
トマトジュースに含まれるリコピンは血糖値の急激な上昇を抑制し、食物繊維は糖の吸収を緩やかにして血糖値の安定が見込めます。トマトジュースにはカリウムも豊富に含まれているため、血圧を下げ糖尿病の改善をサポートします。
血糖値の安定を目指すためのトマトジュースの飲み方のポイントは以下の通りです。
- 1日200ml程度を目安に摂取する
- 食事の30分前に飲むと効果が高まる
- 無塩タイプを選んで塩分を控える
トマトジュースには抗酸化作用を持つリコピンが豊富に含まれており、体の健康維持にも役立ちます。
ためしてガッテンの糖尿病を治す方法に関するよくある質問


ためしてガッテンで紹介された糖尿病の治し方を見た方の中には、以下のような疑問を持つ方もいます。
- 薬を飲み始めたらやめられない?
- 糖尿病が完治した人はいる?
- 糖尿病は歩くと治るって本当?
- 血糖値をすぐに下げる方法はある?
正しい糖尿病の対処法を知り症状を改善しよう


糖尿病の症状改善には以下のような正しい対処法の継続的な実践が重要です。
- 医師による診断と経過観察
- 血糖値の測定・記録
- 食事療法と運動療法の組み合わせ
- 薬物治療の適切な活用
- 生活習慣の改善
- 合併症予防の定期検査
糖尿病の症状が気になる場合は自己判断せず、速やかに医師に相談することをおすすめします。糖尿病の治療は医師の指導のもとで食事療法・運動療法を基本とし、医師と相談の上、適切な薬物療法を検討することが重要です。
糖尿病に関する正しい知識を身につけ、薬物療法に頼らず血糖値が良好な状態を維持する「寛解状態」を目指しましょう。