冷水シャワーや水風呂が注目を集めています。「目が覚める」「気分がすっきりする」と感じる人も多い一方で、本当に効果があるのかは気になるところです。
最新の研究によると、冷水シャワーは短期的には気分への明確な効果は確認されていませんが、継続することで睡眠の質や生活の質の向上が報告されています。
本記事では、総説や臨床試験の結果をもとに、冷水シャワーが「気分」や「睡眠」にどのような影響を与えるのかを詳しく解説します。
- Cain T, Brinsley J, Bennett H, Nelson M, Maher C, Singh B. Effects of cold-water immersion on health and wellbeing: A systematic review and meta-analysis. PLOS ONE. 2025;20(1):e0317615.
(11研究・3,177人。ストレスは12時間後に低下、睡眠・生活の質は改善例あり。直後は炎症マーカー上昇。研究数と多様性に限界と指摘) - Buijze GA, Sierevelt IN, van der Heijden BCJM, et al. The Effect of Cold Showering on Health and Work: A Randomized Controlled Trial. PLOS ONE. 2016;11(9):e0161749.
(30日の冷水シャワーで欠勤が約29%減。体調不良日数は不変)
本研究の要点は以下の通りです。
- 冷水シャワー後、12時間ほどでストレスが軽減されることが報告されている
- 定期的に行うと、睡眠の質や生活の質がやや改善するデータがある
- 直後は一時的に炎症マーカー(例:IL-6)が上がることがある
- 最初は30秒程度、ぬるめから冷水へ徐々に移行する
- 胸までの範囲から水に触れることを推奨
- 呼吸はゆっくり行い、水に完全に浸かる前に終了する
- 臨床試験や総説は限定的で、まだ十分なエビデンスはない
- 温度やシャワー時間が研究によって異なり、効果が一概に言えない
- 冷水が苦手な人、体調によっては逆効果になる場合がある
なお、本記事の内容については、表現に不自然な点がないか、医学雑誌の編集にも携わっていた編集の専門家が確認済みです。

編集プロダクションでの勤務経験があり、医療系出版社の月刊誌にて校正、校閲業務実績がございます。
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研究の概要
2025年に発表された冷水浴の健康効果に関する系統的レビューとメタ解析では、一般の健康な成人を対象に、冷水シャワーや水風呂などの冷水浴がストレス、睡眠の質、生活の質、免疫機能に与える影響を評価しています。
本研究では、短期的なストレス低下や睡眠・生活の質のわずかな改善が報告される一方、炎症マーカーの一時的な上昇や個人差の存在など、注意すべき点も示されています。
いつ | 2025年1月29日 |
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誰が | Tara Cain ら(南オーストラリア大学) |
対象 | 11研究、合計3,177人の健康な成人 |
何をしたか | 冷水シャワーや冷水浴(7〜15℃、30秒〜2時間) |
結果 | ・冷水浴後、約12時間でストレスが低下する傾向がメタ解析で報告されている ・睡眠の質や生活の質が改善された研究が複数ある ・冷水浴直後〜1時間はIL-6などの炎症マーカーが一時的に上昇する傾向 ・オランダのランダム化試験(3,018人、30日間)では、冷水シャワーによって病欠が約29%減少したという報告がある ・対象研究の多くは観察研究や小規模RCTであり、科学的根拠はまだ限定的 |
冷水は何に効きやすいのか
2025年に発表された系統的レビューによると、冷水シャワーや水風呂はストレス指標の低下に最も効果が現れやすいことが示されています。具体的には、冷水浴後すぐではなく、12時間ほど経過してから落ち着きを感じる傾向があります。
また、睡眠の質や生活の質がわずかに改善された研究もありますが、全員に同じ効果が出るわけではなく、個人差が大きいことも指摘されています。
一方で、気分の改善に関しては研究の数が限られており、短期的な効果はまだはっきりしていません。さらに、直後には炎症マーカー(IL-6など)が一時的に上がることがあるため、体調や体質に応じて取り入れることが重要です。
冷水シャワーの正しい始め方と呼吸のコツ
冷水シャワーを始めるときは、最初から長時間や強い冷たさに挑戦せず、まずは30秒程度から始めるのがおすすめです。水温はぬるめから徐々に冷たくしていくと体への負担が少なく、無理なく続けられます。
肩まで全身を浴びるのがきつい場合は、腕や脚など部分的に浴びるだけでも十分です。呼吸はゆっくり、長く吐くことを意識することで体がリラックスしやすくなります。慣れてきたら60秒、さらに90秒と少しずつ時間を伸ばし、週に2〜3回のペースで続けると効果を実感しやすくなります。
なお、急に長時間や強い冷水に挑戦すると心拍数や血圧に負担がかかることがあるため、心臓や血圧に不安がある人は医師と相談のうえで行うのが安全です。
冷水シャワーは短時間でも継続して行うことがポイントで、体調に合わせた無理のない取り入れ方が効果を高めます。
冷水浴をする際に注意しておくこと
研究によると、冷水浴直後には炎症マーカー(IL-6など)が一時的に上昇することが確認されています。また、別の研究分野では、トレーニング直後に冷水浴を行うと筋肉の発達を弱める可能性が指摘されています。
そのため、冷水浴を取り入れる際は、日ごろの体調や目的に応じて無理せず行うことが重要です。特に心臓や血圧に不安がある人は、医師に相談してから行うことが推奨されます。
さらに、効果を実感するには短時間・適温での継続的な実践がポイントです。例えば最初は30秒程度、ぬるめの水から徐々に冷たくしていく方法や、胸までの範囲から始める方法が安全です。呼吸をゆっくり行い、無理に長時間や強い冷水にさらさないことも大切です。
仕事のパフォーマンスに影響するのか
オランダで行われた大規模なランダム化試験(3,018人、30日間)では、冷水シャワーを毎日行うことで欠勤日数が約29%減少したという結果が報告されています。
しかし、体調不良の日数自体は変わらず、結果には自己申告による影響や心理的効果も含まれる可能性があります。
つまり、冷水シャワーによって「体調が良くなった」というよりは、やる気や気分の変化により出勤したケースも考えられます。そのため、結果を「仕事のパフォーマンス向上」と単純に結びつけることはできず、解釈は慎重に行う必要があります。
冷水シャワーに関するよくある質問
まとめ
冷水シャワーは、ストレスを12時間後あたりに下げる可能性が示されており、睡眠の質や生活の質にわずかな改善が見られる人もいます。ただし、効果には個人差があり、全員に同じ効果が出るわけではありません。
初めて取り入れる場合は、30秒程度から始め、無理をせず自分の体調に合わせて継続することが大切です。水温は研究では7〜15℃が多く、自宅では普段のシャワーより十分に冷たいと感じる範囲で十分です。
また、冷水浴直後には炎症マーカーが一時的に上がることがあるため、体調や目的に応じて調整することをおすすめします。自分の体調や気分の変化を意識しながら続けることで、少しずつ効果を感じられるかもしれません。
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