週1〜2日の8,000歩が、0日と比べて10年後の死亡リスクが低くなった研究

週1〜2日の8,000歩が、0日と比べて10年後の死亡リスクが低くなった研究

毎日長時間歩くことが難しくても、週に1〜2日だけ8,000歩を達成する人は、10年後の死亡リスクが低い傾向があることが分かりました。

これは米国の代表的な国民健康栄養調査(NHANES)のデータを用いて、加速度計で記録した歩数と10年間の死亡記録を照合した大規模な追跡研究による結果です。

ポイントは毎日達成する必要はなく、少ない日数でも効果が期待できることです。まずは週末に20分×2回の散歩を予定に入れるところから始めると、無理なく習慣化できます。

本記事では、研究結果の詳細や生活に取り入れるコツを分かりやすく解説していきます。

本研究の要点は以下の通りです。

研究まとめ
何が分かったか
  • 8,000歩を週1〜2日でも達成する人は、0日と比べて10年後の死亡リスクが低い傾向
  • 週3〜7日達成できる人はさらに低い傾向
  • 心血管疾患による死亡でも同様の傾向がみられる
やり方のコツ
  • 週末の2回を固定予定に入れる
  • 往復10分×2本の短い散歩でも十分
  • 歩いた日はメモやカレンダーで可視化すると継続しやすい
注意しておきたいこと
  • 観察研究のため、因果関係を断定してはいない
  • 加速度計は1週間だけ装着しており、測り残しの可能性がある
  • 病気や体力など、他の要因の影響も考えられる

なお、本記事の内容については、表現に不自然な点がないか、医学雑誌の編集にも携わっていた編集の専門家が確認済みです。

この記事を確認した編集者
Touma

編集プロダクションでの勤務経験があり、医療系出版社の月刊誌にて校正、校閲業務実績がございます。

目次

研究の概要

本研究は、国の成人における「1週間に何日8,000歩以上歩いたか」と、その後の約10年間の死亡リスクとの関連を調査したものです。

使用されたデータは、米国の代表的な国民健康栄養調査であるNHANESの2005~2006年のデータで、加速度計を1週間装着して歩数を記録した3,101人の成人が対象となっています。

いつ2023年(JAMA Network Open)
誰がInoueら(京都大学、カリフォルニア大学ロサンゼルス校)
対象・成人3,101人
・2005~2006年に加速度計を1週間装着し、歩数を記録
期間約10年間、死亡票と照合
比較群週0日、1〜2日、3〜7日で8,000歩以上達成した群
分析方法多変量調整を行い、週ごとの8,000歩以上の歩数達成日数(0日、1〜2日、3〜7日)と死亡リスクとの関連を評価
結果1〜2日/週で8,000歩の群は、0日と比べ、全死亡リスクが−14.9%ポイント(調整後)
3〜7日/週では−16.5%ポイント
・心血管死でも同様の傾向がみられた

まずは「週末に20分×2回」から

忙しい平日はまとまった時間を確保するのが難しくても、週末に2回だけ歩く予定を入れるのは比較的取り入れやすい方法です。

歩く速さは会話できる程度の速さで、目安は1回20分程度。朝と夕方など、1日の中で区切りをつけて歩くと習慣化しやすくなります。

外出が難しい天候の日でも、駅構内やショッピングモールを歩くなど、屋内での移動でも十分な効果が期待できます。

週末だけでも効果はあるのか

研究では、週に1〜2日だけ8,000歩を達成する人は、0日の人に比べて死亡リスクが低い傾向が示されました。

もちろん、歩く日数が増えるほどリスクはさらに低下する傾向がありますが、最初の一歩として「週末に集中して歩く」ことは現実的かつ有効な方法です。

習慣が身についたら、平日に10分程度の寄り道や小さな歩行を1回追加するなど、少しずつ歩く日数を増やしていくと無理なく継続できます。

ケガなく続けるために気をつけたいこと

歩く際には、靴はかかとが安定するものを選び、段差や夜道に注意しましょう。膝や腰に痛みがある場合は、距離ではなく時間で歩行量を管理し、ややゆっくりのペースに切り替えることが大切です。

持病がある場合は、かかりつけ医に相談し、無理のない範囲で行うようにしてください。また、歩く前後に軽くストレッチを行うと怪我の予防になります。

歩数に関するよくある質問

8,000歩に満たない日は意味がないですか?

いいえ、意味はあります。

歩数が多いほど死亡リスクが下がる傾向は、多くの研究で一貫して報告されています。たとえ目標の8,000歩に届かない日でも、少しでも歩くことを積み重ねることが大切です。

毎日の小さな歩行の蓄積が、長期的な健康につながります。

速歩は必要ですか?

今回の研究では、主に歩数を基準に評価しています。そのため、必ずしも速歩である必要はありません。

まずは続けやすいペースで歩くことを優先しましょう。慣れてきたら、少し速めの区間を取り入れると心肺機能や筋力向上にも役立ちます。

1日だけ8,000歩でも効果はありますか?

解析結果では、週に1〜2日だけ8,000歩を達成しても、全死亡リスクは0日の人より低い傾向が示されました。週3〜7日達成できる人ではさらにリスクが低下しています。

最初は無理のないペースで歩く日を増やすことが現実的で、継続することが最も重要です。

まとめ

週に1〜2日だけでも8,000歩を達成する人は、0日しか歩かない人と比べて、10年後の死亡リスクが低い傾向が示されました。最初の一歩としては、週末に20分×2回の散歩から始めるのがおすすめです。

無理なく続けられるようになったら、徐々に歩く日や歩数を増やしていくと、さらに健康効果が期待できます。平日にまとまった時間が取れなくても、週末に集中して歩くことでも十分効果があります。

小さな一歩でも積み重ねることで、長期的な健康に大きな違いを生みます。今週から、まずは歩く習慣を1回取り入れてみましょう。

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本記事の監修者・執筆者

メドノア編集部が監修・執筆。
記事により薬剤師による執筆、また、適宜、医療系国家資格を有する専門家(看護師資格を有し、総合病院で勤務。退職後、出版社に勤務し、医学誌の編集も担当)が、医学的記述や表現に不自然な点がないか確認をしています。
確認済みの記事には、その旨記載しております。

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