毎日長時間歩くことが難しくても、週に1〜2日だけ8,000歩を達成する人は、10年後の死亡リスクが低い傾向があることが分かりました。
これは米国の代表的な国民健康栄養調査(NHANES)のデータを用いて、加速度計で記録した歩数と10年間の死亡記録を照合した大規模な追跡研究による結果です。
ポイントは毎日達成する必要はなく、少ない日数でも効果が期待できることです。まずは週末に20分×2回の散歩を予定に入れるところから始めると、無理なく習慣化できます。
本記事では、研究結果の詳細や生活に取り入れるコツを分かりやすく解説していきます。
- Inoue K, et al. Association of Daily Step Patterns With Mortality in US Adults. JAMA Network Open. 2023;6(3):e234146
(3,101人、10年追跡、8,000歩を1〜2日/週でも低リスク傾向) - MedicalXpress. Walking 8,000 steps once or twice a week cuts mortality risk. 2023-03-28
(主要結果の要点) - Saint-Maurice PF, et al. Association of Daily Step Count and Step Intensity With Mortality. JAMA. 2020
(歩数と死亡の関連を示した先行研究)
本研究の要点は以下の通りです。
- 8,000歩を週1〜2日でも達成する人は、0日と比べて10年後の死亡リスクが低い傾向
- 週3〜7日達成できる人はさらに低い傾向
- 心血管疾患による死亡でも同様の傾向がみられる
- 週末の2回を固定予定に入れる
- 往復10分×2本の短い散歩でも十分
- 歩いた日はメモやカレンダーで可視化すると継続しやすい
- 観察研究のため、因果関係を断定してはいない
- 加速度計は1週間だけ装着しており、測り残しの可能性がある
- 病気や体力など、他の要因の影響も考えられる
なお、本記事の内容については、表現に不自然な点がないか、医学雑誌の編集にも携わっていた編集の専門家が確認済みです。

編集プロダクションでの勤務経験があり、医療系出版社の月刊誌にて校正、校閲業務実績がございます。
おすすめ記事
研究の概要
本研究は、米国の成人における「1週間に何日8,000歩以上歩いたか」と、その後の約10年間の死亡リスクとの関連を調査したものです。
使用されたデータは、米国の代表的な国民健康栄養調査であるNHANESの2005~2006年のデータで、加速度計を1週間装着して歩数を記録した3,101人の成人が対象となっています。
いつ | 2023年(JAMA Network Open) |
---|---|
誰が | Inoueら(京都大学、カリフォルニア大学ロサンゼルス校) |
対象 | ・成人3,101人 ・2005~2006年に加速度計を1週間装着し、歩数を記録 |
期間 | 約10年間、死亡票と照合 |
比較群 | 週0日、1〜2日、3〜7日で8,000歩以上達成した群 |
分析方法 | 多変量調整を行い、週ごとの8,000歩以上の歩数達成日数(0日、1〜2日、3〜7日)と死亡リスクとの関連を評価 |
結果 | ・1〜2日/週で8,000歩の群は、0日と比べ、全死亡リスクが−14.9%ポイント(調整後) ・3〜7日/週では−16.5%ポイント ・心血管死でも同様の傾向がみられた |
まずは「週末に20分×2回」から
忙しい平日はまとまった時間を確保するのが難しくても、週末に2回だけ歩く予定を入れるのは比較的取り入れやすい方法です。
歩く速さは会話できる程度の速さで、目安は1回20分程度。朝と夕方など、1日の中で区切りをつけて歩くと習慣化しやすくなります。
外出が難しい天候の日でも、駅構内やショッピングモールを歩くなど、屋内での移動でも十分な効果が期待できます。
週末だけでも効果はあるのか
研究では、週に1〜2日だけ8,000歩を達成する人は、0日の人に比べて死亡リスクが低い傾向が示されました。
もちろん、歩く日数が増えるほどリスクはさらに低下する傾向がありますが、最初の一歩として「週末に集中して歩く」ことは現実的かつ有効な方法です。
習慣が身についたら、平日に10分程度の寄り道や小さな歩行を1回追加するなど、少しずつ歩く日数を増やしていくと無理なく継続できます。
ケガなく続けるために気をつけたいこと
歩く際には、靴はかかとが安定するものを選び、段差や夜道に注意しましょう。膝や腰に痛みがある場合は、距離ではなく時間で歩行量を管理し、ややゆっくりのペースに切り替えることが大切です。
持病がある場合は、かかりつけ医に相談し、無理のない範囲で行うようにしてください。また、歩く前後に軽くストレッチを行うと怪我の予防になります。
歩数に関するよくある質問
まとめ
週に1〜2日だけでも8,000歩を達成する人は、0日しか歩かない人と比べて、10年後の死亡リスクが低い傾向が示されました。最初の一歩としては、週末に20分×2回の散歩から始めるのがおすすめです。
無理なく続けられるようになったら、徐々に歩く日や歩数を増やしていくと、さらに健康効果が期待できます。平日にまとまった時間が取れなくても、週末に集中して歩くことでも十分効果があります。
小さな一歩でも積み重ねることで、長期的な健康に大きな違いを生みます。今週から、まずは歩く習慣を1回取り入れてみましょう。
おすすめ記事