有効成分マレイン酸ジメチンデンを含み、ヒスタミンH1受容体を選択的に遮断することで虫刺されや蕁麻疹、かぶれなどによるかゆみ・アレルギー症状を抑える、患部に直接作用する外用タイプの抗ヒスタミン薬「フェニスティルジェル(Fenistil Gel)」実際に使用した、20代後半の女性「ゆち」さん(京都府)より、体験談をレポートしていただきました。
さて、体験談の要点は以下の通りです。
- タイでは蚊やブヨの発生が多く、短時間でも刺され、かゆみが生活や睡眠の質に大きく影響していた
- 日本の一般的な清涼感タイプは赤みや腫れへの効果が弱く、対処しきれなかった
- 現地の友人に勧められ、抗ヒスタミン成分が信頼材料となり購入に至った
- 十数秒でかゆみが軽減し、赤みや腫れも落ち着き、日常・仕事中にも使いやすい
- 虫刺され、軽い日焼け、蕁麻疹などに対応でき、眠気も出にくく、副作用は極めて軽度
- 発汗や水濡れで効果が短くなり、強い炎症や傷には不足。観光地では価格が高い点もデメリット
- 顔や粘膜を避け、改善しない時は医療機関へ。子どもや高齢者には量・面積を控えめに
- 早めの塗布で掻き壊しが減り、日中の集中力や夜間の睡眠の質が改善。日焼け後のヒリつきにも有効
- 即効性と扱いやすさは非常に高評価。持続時間や強炎症への限界はあるが、日常ケアには必携の一本
なお、本記事の体験談内容については、医学的記述や表現に不自然な点がないか、医学誌の編集経験がある看護師が確認済みです。
Ray看護師資格を有し、総合病院で勤務。退職後、出版社に勤務し、医学誌の編集も担当しておりました。
それでは、次より実際の体験談レポートをご紹介いたしますが、本記事は個人の体験談であり、効果・感じ方には個人差があります。
あくまでも個人の感想ですので、効果・効能を保証するものではありません。医薬品の使用は自己責任で行い、体調変化を感じた場合は医師にご相談ください。
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蚊や小さなブヨが一斉に出てきて、短時間ベランダに出ただけでも二桁近い刺され跡ができてしまう
タイでの生活は虫との距離が近い。雨上がりや夕方になると蚊や小さなブヨが一斉に出てきて、短時間ベランダに出ただけでも二桁近い刺され跡ができてしまうことがある。
かゆみを我慢しようとするほど意識がそこに向かってしまい、結局は掻いてしまう。掻き壊せば赤みが広がり、翌日は服に擦れてまた刺激され、悪循環が続く。
日本から持ってきた一般的なかゆみ止めは清涼感が強くて一時的には気が紛れるが、腫れや赤みの引きは物足りなかった。
現地の友人に相談したところ勧められたのがフェニスティルジェル。虫刺されのほか、軽い日焼けや蕁麻疹にも使えると教えてもらい、最寄りのドラッグストアでチューブを購入した。
英語表記で有効成分Dimetindene maleateとあり、抗ヒスタミン薬であることが分かったのも安心材料になった。



抗ヒスタミン薬とは、かゆみの原因物質となるヒスタミンの分泌を抑える作用が期待できる薬剤です。
日本では強いかゆみに対してのみ使用が推奨されています。
参考:
・抗ヒスタミシ薬について – 国立病院機構 熊本医療センター(PDF)
・虫刺されの治療はどうすればよいですか? – 皮膚科Q&A|公益社団法人 日本皮膚科学会
刺されてから早めに塗った部位ほど反応が良く、一時間ほどでほとんど気にならなくなった


無色透明のジェルは水分が多く、指先で伸ばすと薄い膜のように広がる。
塗って十数秒でひんやりとした冷感がやってくるが、メントールのような刺激ではなく、日焼け肌でも受け入れられる穏やかさだ。
まずかゆみがふっと弱まり、掻きたい衝動が落ちる。次いで赤みの縁が薄くなり、盛り上がっていた腫れが平らになっていく。
刺されてから早めに塗った部位ほど反応が良く、一時間ほどでほとんど気にならなくなった。



フェニスティルジェルに含まれている成分は抗ヒスタミン作用のあるマレイン酸ジメチデンのみです。
マレイン酸ジメチデンはかゆみを止める作用はあるものの腫れや炎症を鎮める作用はありません。
参考:
・抗ヒスタミシ薬について – 国立病院機構 熊本医療センター(PDF)
・FENISTIL 1 MG/G GEL TOPICO 50 G – FARMACIA CHECA
夜は寝返りの摩擦でかゆみがぶり返しがちだが、寝る前に薄く塗っておくと目が覚める回数が明らかに減った。
汗をかく日中は持続が短く感じることもあったが、昼休みに塗り直すと再び落ち着く。
日焼けのヒリつきにも試したところ、しみることはなく、熱が抜けるように表面のつっぱりが和らいだ。ジェルが乾くと肌表面がさらりとして衣服に張り付きにくいのも日常使いには助かる。
フェニスティルジェルの良いと感じた点
フェニスティルジェルの良いと感じた点は、以下のとおりです。
- 1つ目は即効性
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数分でかゆみのピークが下がり、無意識に掻く行為を止められる。掻かないこと自体が悪化の予防になるので、治りが早いという実利につながる
- 2つ目はベタつきの少なさ
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ジェルは水のように伸びて乾きも早く、スマホやノートPCをすぐ触っても気にならない
- 3つ目はにおいの弱さ
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人前でも使いやすく、香りが残りにくいので仕事中でも遠慮がいらない
- 4つ目は用途の広さ
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虫刺されだけでなく、軽い日焼けやかぶれ、蕁麻疹の点状のかゆみにも転用できた。一本携帯しておくと外出先で慌てずに済む
- 5つ目は全身的な眠気が出にくい点
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内服の抗ヒスタミン薬は状況によっては眠くなるが、外用で局所に使うフェニスティルジェルは日中のパフォーマンスを落としにくい
フェニスティルジェルの気になった点
万能ではない。まず持続時間は数時間程度で、汗をかくとさらに短く感じる。屋外作業や運動の日は2~4時間おきに薄く塗り直す必要があった。
次に傷がある部位ではわずかにしみる感覚が出る。かき壊したばかりの生傷や滲出液が出ているところは一旦冷やして落ち着かせてからの方が快適だった。
広範囲の強い炎症や水疱を伴う皮膚トラブルには単剤で足りないことがある。例えば海辺で強く焼けて水疱寸前のときは、冷却や保湿、場合によっては医療機関での評価が必要だと感じた。
また観光地の薬局では値段が高めに設定されていることがあり、ローカルエリアの店と価格差が出やすい。
最後に、清涼感が苦手な人は薄塗りから始める方が受け入れやすいと思う。
敏感肌の人は最初は一点だけに塗って様子を見るのが安全
私の肌では目立つ副作用は起こらなかったが、個人差はある。とくに敏感肌の人は最初は一点だけに塗って様子を見るのが安全だ。
屋外で使う場合は直後の強い日光を避け、衣服で覆える範囲で運用すると安心感が高まる。



肌質にこだわらず、初めて使う塗り薬にはパッチテストを行うことが推奨されています。
一般的に歯皮膚の軟らかい部分や目立ちにくい部分(腕の内側や背中)に少量塗って肌に赤みやかゆみが出ないかを確認してから使用します。
参考:
パッチテスト外来 – 東京医科大学 皮膚科学教室
フェニスティルジェルをバッグに入れてからは、刺されたと気づいた時点ですぐ塗るというルーチンができ、かゆみのピークを積極的に下げられるようになった
使用前はかゆみが気になって会話や作業の途中でも無意識に掻いてしまい、さらに赤みが増して自己嫌悪になるという悪循環が常態化していた。夜は寝刺された部位がムズムズして、眠りの質が落ちる。
フェニスティルジェルをバッグに入れてからは、刺されたと気づいた時点ですぐ塗るというルーチンができ、かゆみのピークを積極的に下げられるようになった。
結果として掻き壊しが減り、翌日のメイクや衣服の擦れで再燃する回数も減った。
日焼け後も同様で、入浴後に冷水で軽く冷やしたうえでジェルを薄く延ばすと、つっぱりが和らぎ、肌表面のカサつきも軽快する。
汗で落ちやすい日は繰り返しの塗り直しが前提だと割り切るとストレスが少ない。
小さな刺され跡なら米粒大の量を指先で円を描くように広げるだけで足りる
私が購入したチューブの説明では1日2~4回、患部に薄く塗布と記載されていた。
小さな刺され跡なら米粒大の量を指先で円を描くように広げるだけで足りる。広い範囲に塗るより、ピンポイントで数カ所に分けてのせる方が効きが良いと感じた。
日焼け面に使うときは冷却と保湿の間に挟むイメージで、冷やす、フェニスティルジェルを塗る、乾いたら保湿ジェルを重ねるという順番が肌に合った。
汗をかく日は塗布後しばらくは触らず、完全に乾いてから衣服を着るとムラになりにくい。
外出前は紫外線の強さを考え、直射日光の当たる部位への使用は最小限にとどめる。
ローカルの薬局では手頃だが、観光客向けの店舗では割高だった
タイでは処方箋なしで購入でき、レジ周りやかゆみ止めの棚に置かれていることが多い。
20グラムのチューブが一般的で、価格はエリアや店によって差がある。
ローカルの薬局では手頃だが、観光客向けの店舗では割高だった。
購入時はチューブのへこみやキャップのゆるみがないか、使用期限が十分残っているかを確認する。
英語表記の成分名と濃度をスマホで撮影しておくと、後から別の店で買い足す際にも迷わない。
家に帰ったら箱は捨てず、使用説明を切り取ってポーチに入れておくと同行者にも渡しやすい。
即効性と扱いやすさに満足している。刺された直後の対応が早くできるほど効果が目に見え、掻き壊しを防げるのが最大の価値だ
フェニスティルジェルは刺されてすぐなら特に相性が良く、赤みの広がりも抑えられる。
多汗の環境やプールの前後では落ちやすいので、乾いたタイミングを狙って薄く重ねる。
アウトドアでの虫対策としては、ディートやイカリジンの防虫剤で刺され数自体を減らし、刺されてしまった分をフェニスティルジェルで素早くケアする組み合わせが現実的だった。
即効性と扱いやすさに満足している。刺された直後の対応が早くできるほど効果が目に見え、掻き壊しを防げるのが最大の価値だ。
一方で持続時間には限界があり、発汗や水濡れの多い環境では塗り直しが前提になる。
強い炎症や広範囲の皮膚トラブルには単独では不十分な場面もあるが、日常の虫刺されや軽い日焼けのケアとしては携帯必須の一本と断言できる。
※海外医薬品の個人輸入は、ご自身の責任において、ご自身の使用のために行う場合に限り認められています。輸入した医薬品を第三者へ譲渡・転売することは法律で固く禁じられています。
※この記事は看護師資格保有者が内容を確認していますが、診断・治療行為ではありません。必要に応じて医療機関で適切な指導を受けてください。
フェニスティルジェルに関連する添付文書等の参考資料
- Fenistil Gel – Haleon
- マレイン酸ジメチンデン – KEGG
- Public assessment report for a medicinal product for human use: Pruridene 1 mg/g Gel – HPRA(PDF)
- Fenistil Gel (Dimetindene maleate 0.1 %) – Novartis Consumer Health SA(PDF)
※本ページでは日本語の公的資料(JAPIC/PMDA等)や、英語の公的資料(EMA/FDA等)を記載しています。いずれも基本的に各国規制当局等が発行する一次ソースですが、国・地域ごとに適応症・警告・禁忌・推奨用量などが異なるため、内容をよく比較のうえご判断ください。
※服用前には必ず輸入品に記載されている英文の説明も確認し、不明点は医師・薬剤師にご相談ください。
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